第23章 東城歩《ロ●トへGo!!》
「それで、その東城はどこに行ってるんだ」
○○を含め、四人とも首を捻る。
朝から東城の姿を見た者はいないようだ。
ソープじゃね? ヘルスじゃね? カーテンの上のシャーってなる奴買いに行ってんじゃね?
様々な憶測が飛び交う。
「皆さん、東城さんを何だと思ってるんですか!」
一人息巻く○○の問いに、
「大嫌いだ」と独眼竜。
「剣の腕だけは尊敬している」と目のデフォルメが古い男。
「若のストーカー」とスキンヘッドの大男。
そんな三人とは裏腹に唯一人、顎をさすりながらその男は笑みを浮かべて滔々と言葉を紡ぐ。
「若まで何を。あの人のすごさがわからない若じゃないでしょう。裏柳生との死闘で見せた活躍で俺はさらにあの人を――」
「九兵衛はいるか」
再びワザと言葉を遮るタイミングでやって来たのではと思えるタイミングでやって来たのは、
「パパ上」
九兵衛の父。
「パパ上様がお呼びだ、来なさい」
パパ上の言うパパ上とは、九兵衛の祖父を指す。
「○○、東城を連れて来てくれ」
去り際、九兵衛は○○に指示をした。
「え? でも行方が……」
誰も東城の居所を知らないのにと、○○は困った表情を見せた。
九兵衛は微笑むと、
「きっとロ●トだ」
言い残して道場を後にした。