●○青イ鳥ノツヅリ箱○●【イケシリ短編集】(R18)
第1章 Last Supper〈イケ戦/政宗/元就/現パロ〉
計器から、一定の電子音が絶えず、流れる。
伸びる管。
繋がる体。
開かない、瞼と唇。
傍らで、蒼い隻眼が静かに見下ろす。
いつまでもそこに立ち尽くし、やがて溜息と共にその場を去ろうとした。
その時。
伊達医師の耳が微かな声を聴いた。
振り返る。
見下ろすその体が、唇が、僅かに動いた。
顔を近づけ、唇の動きから目を逸らさずに耳をそばだて、声を聴く。
やがて、疲れたように患者は短く息を漏らし、瞳を閉じた。
胸は変わらず、上下に揺れて呼吸を繰り返している。
「―――元就!」
内線電話の受話器を取りつつ、同期の名を呼んだ。
「―――んだよ、うっせーな!でけぇ声出してんじゃ…」
悪態つきつつ、カルテ整理をしていた毛利医師が面倒臭げに振り返る。
しかし、伊達医師の顔をみるや、ニヤリを悪い笑みを浮かべた。
「…イけそうか?」
「イくっきゃねぇだろ?…同意書頼むな」
電話の先から目的の声が聞こえ、伊達医師の声音が上がる。
「―――満留!頼みがある、ちょっと来てくれ!」