第7章 出会ってしまったひとりと一振り 〔肥前忠広〕
「貴女が今回のわたしの主ですな」
審神者は一期に丁寧に頭をさげる。
「この本丸の審神者璃杏と申します。これからよろしくお願い致します」
「これはこれは…わたしこそよろしくお願い致します」
一期も乱と鯰尾の肩を抱いた手を外し、右手を胸に当てると恭しく審神者に頭を下げる。
そして宗三に気付くと微笑みを浮かべる。
「貴方もいらしたのですな」
宗三もおっとりと答えた。
「はい。久し振りですね」
「あぁ、そうか、豊臣にいたとき、一緒だったことがあるんだね」
歌仙が気付くと鯰尾がにこりとして答える。
「俺もそこにいたんだよ」
「そうでしたな」
一期が鯰尾を見て答えると、大和守が歌仙に声を掛ける。
「ねぇ、今日はお祝いだよね?」
「あぁ、そうだね。新しい男士の顕現にお祝いしよう。璃杏さんもよくやったね」
歌仙が審神者をねぎらうと、審神者はううん、と首を横に振った。