第6章 変わった出陣2 〔山姥切国広/山姥切長義〕
「出陣?俺と偽物くんだけで?」
この本丸に来て二振りで出陣することがあるのは聞いていたが、まさかこの本科の俺が偽物くんと出陣するとは思いもよらず、審神者である主に尋ねてしまった。
「うん、そう。時は現代、もともと私が居た時代だよ。ちょっと説明しにくいけれど、人がとにかく大勢いるところだけど、いつもの出陣姿で行っても問題無いから」
主はにこにこしながら説明するが、何となく要領を得ない説明に俺は首を傾げる。
「…わかった」
隣に座る偽物くんは、小さく頷くと言葉少なに返事をして立ち上がる。
「本科、出陣しよう」
「おい、待て」
すたすたと主の前を下がっていく偽物くんを追い掛け、俺は主の言った意味を理解しないまま二振りで出陣した。
「…なんだ、ここは…」
出陣した先で俺は立ち尽くす。
主は確かに言った。
『人は多いが問題無い』と。
問題は無いが、何故俺達は囲まれているのだ。
「ちょっと!長義に似てるよ、あの人!めっちゃかっこいい!」
「あっちのまんばちゃんも綺麗だよ」