第5章 待ち遠しく。 〔山姥切国広/R18〕
「…まんばくん…まんばくん…好き…好き…」
俺にしがみついて主は言う。
「俺も璃杏が好きだ…」
俺の言葉に主は信じられないものを見たような表情を見せた後、顔を満面にゆるませた。
「ほんとう…?嬉しい…っ…」
満開の花が咲いたような笑顔に俺も口の端がゆるむ。
「…っぁ…ま、んば、くん…」
主は笑った顔を赤らめてぼそぼそと言った。
「あの…なか…おっき、く…なった…かな…」
「…あぁ、悪い…璃杏の笑顔を見たら…勃った…良ければ…もう、いちど…良いか…?」
窺うように問うと真っ赤な顔をして主は頷いた。
「…いいよ…まんばくんの好きにして…」
あぁ、どうしてこんなに可愛い事を言ってくれるのか。
俺は両脚を抱えると少しでも奥を突けるように腰をぶつけ出す。
俺を求める締め付けが気持ち良く、主の事を考えられなくなる程自分勝手に腰を動かしてしまい、主が「待って」と言ってイカせてしまっても、俺は主に溺れてしまったようにからだをむさぼりつくした。
「…す、すまない…つい、気持ちが良くて…」
慌てて主に謝ると主は疲れた表情を見せるものの、にこりと笑った。
「ううん、驚いたけど…まんばくんが私のからだに満足してくれたなら…」
またしても抱きたくなるような言い方をしてくる主に、俺はつい、言ってしまう。
「そういう可愛い事を言われると、もっと抱きたくなるのだが…」
すると慌てたように言い返してきた。
「いや、ちょっと今は…えっと…また夜に…」
勿論そのつもりだ、と俺が言うと主は赤い顔を益々赤くして「…わかった」と返事をしてきたので、俺と同じ気持ちなのかと夜を待ち遠しく思った。
<終>