第2章 ××しないと出られない部屋その5 〔大般若長光/R18〕
「…んぷ…っ…」
「あぁ…っ、悪いっ…」
おれの液体がかかって白い欲まみれになってしまった璃杏は、しかし怒ることなくすんと鼻をすすると言った。
「…あんまり良い匂いではないんですね…」
「あぁ、悪かった」
おれは布団の敷布を引っ張り、まみれてしまった顔を拭いてやった。
「…全身ねばついてしまってお風呂に入りたいですね…」
璃杏が言った途端かちりと音がし、このおかしな部屋から出られるようになった。
「璃杏はこのまま風呂に行くと良い。着替えは誰かに持たせよう」
おれは手早く服を着つつ言うが、璃杏は「いえ、さすがに自分で取りにいきます…」と恥ずかしそうに同じく服を着ながら言った。
「それもそうだな。おれも誰かがきみの下着を見るのかと思うと嫌だな。そうだ、おれが持って行ってあげよう」
「…大般若さんのエッチ」
ちょっと膨れたような声で璃杏に言われてしまい、おれは苦笑する。
そして怒られそうな事を部屋を出る直前に言ってみた。
「なぁ、このまま一緒に風呂に入って、もう一度しないかい?」
「…お風呂では恥ずかしいです…」
では部屋なら良いのかい?と聞いたら、おれにしか聞こえない声で返事があった。
おれたちが出ると部屋の扉は勝手に閉まり、もう一度扉を開けると本来の物置に戻っていた。
何故おれと主だったのだろうと思いながら、おれはその扉を閉めた。
おれたちがその部屋から去った後、こんのすけが現れなにやらどこぞに報告をしていた、まではおれたちは知ることはなかった。
<終>