第3章 甘えて、いい…？《佐野万次郎》●

不安そうに私の顔を覗き込む万次郎に、ちゅっと軽くキスをして、目を見つめながら万次郎の後頭部分の髪をやんわりと梳く。

二人で深呼吸を繰り返して、優しいキスを何度もして…私のナカが万次郎のモノの形に慣れてきた頃、万次郎は少しだけ腰を動かした。
ぐち、と水音がして、同時に鼻にかかった声が出る。

さらに万次郎は、急に私の臍の下を親指の腹でグッ…と押して楽しげに目を細めた。



「オレの、…蛍の、ここまで入ってる…ッ」
「っぁ、や、だめ、押さな、ぃで、ぇ…！」
「ふ、コリコリいってる…？」
「ゃんっ、あッきもち、〜ぁあﾞッ、んんｯｯ」



ナカに万次郎のモノが入ってるだけで気持ちいいのに、さらに外からぐりぐりと押されてしまったら…。
言葉にできないほどの快感に、ただ喘いで万次郎に縋り付くしかない。



「なぁ蛍、このまま動いたら…どうなる？」
「ぁ、っだ、め、ぃや、ぁ…ッ」
「善がるくせに」
「ッあ！？？」



だめ、イヤだって、言ったのに。
万次郎は私の臍の下に…親指どころか手のひらを押し当てて、そのままナカをぱんっと突き上げた。
今日何度目かの火花が目の前に散って、だらしなく口を開けたまま万次郎にもたれ掛かる。

この体勢が私にとって不利であると気づくのは、少し遅かった。
万次郎がニヤリと笑ったことを知らないまま、下から勢いよく突き上げる律動が始まった。



「ああッんや、っひ、ンぅ〜〜ぁあｯｯ」
「はっ…蛍、蛍…ッ」
「ま、じろぉッ、まっ…ッあ、あ、」



万次郎の耳元で荒い呼吸をして、ただひたすら与えられる快感に喘ぐことしかできない。
いつの間にか臍の下に当てていた手は私の腰に回っていたのに、そんなことに気づくはずもなくて。
イイところに躊躇なく、最奥にコツ、コツ、と当ててくる万次郎に抱きついて、肩で荒い吐息を感じる。



「はげ、しッ、〜っあﾞぁ、まんじろ、すき、すきぃ…！」
「ん、ッは、蛍、オレもっ好きだよ、愛してるッ」
「ぅやぁあ、ッんぁ、っも、いっちゃ…ぅ〜ッ」
「ふっ、感度良すぎだろッ」



ぱちゅぱちゅと響く水音。
万次郎の、荒い呼吸音と少しの喘ぎ声。
喉が枯れそうなほど、勝手に出てしまう自分の声。

直接の刺激に加えて、全ての音が、快感に繋がる。