【 ヒロアカ 】只の私のものでいて ( R18 )
第3章 春の日々、散るらん
爆豪目線
目が焼かれたような衝撃が走る。
淡く光に透けたその〝 何か 〟は ヒラリ と俺の目元を掠めた。
咄嗟に縋るように触れたその〝 何か 〟は、俺が床に押し倒したであろうそいつの〝 髪 〟であることが戸惑いながらも分かる。
『ッ ... いたた』
ゆっくりと開かれる女の目から、俺は目が離せないでいた。
淡く透けた髪とは対象的な深いアメジスト色の瞳。
妖しく光るその瞳とはまるで似つかない困ったような顔をして、女は俺を見上げている。
「ッ ... 」
こんな綺麗な物、
初めて見た。
『あ、あの怪我はありませんか?』
「てめえ、名前は」
『はい?』
「だから、名前聞いてんだよ」
『え、名前は、あの』
『沙奈、です』
ストン と胸に落ちたその声はとても心地のいいものだった。
沙奈
沙奈、か
「おーい!いい加減沙奈の上から離れてやれよ!困ってんだろうが」
『あ、か、上鳴くん、ありがとう』
グイ と赤髪のツンツン野郎に後ろから体を引っ張られ、沙奈が黄色髪の男に起こされている。
気にくわねぇ ...
「おい、触ってんじゃねえよそこの黄色頭ァ!!!」