第2章 revenge2
雨、降ってんじゃん・・・。
彼が運転するバブの後ろに乗り、お墓に来た。
傘を持ちながら、佐野家之墓と書かれた墓石を見つめる。
何故かタケミチくんは千冬と来ていて、少し話しをした。
千冬が言うには、場地さんは稀咲の尻尾を掴む為に芭流覇羅に入ったとのことだ。
場地さんは稀咲を芭流覇羅内部から探ろうとしている。
やっぱり場地さんは、東卍を裏切ってなんかいなかった。
そして、千冬とタケミチくんは、外部から探るそうだ。
「わかるんだ、あの人の考えてることはさ・・・ずっと側で見てきたからな!」
千冬はやっぱり、場地さんをすごく信頼している。
千冬が突然、私にありがとうと言う。
なんのことだろうと思い、顔を見つめた。
「星那が家まで運んでくれたんだろ?・・・それに、場地さんに殴られても信じてくれた。」
「場地さんは千冬みたいに優しかったから。」
微笑むと、千冬はニカッと笑った。
ドラケンさんはびしょびしょになりながら、お墓の前にしゃがむマイキーさんに傘を差す。
2人はあの事件について話し始めた。
「そう・・・今さら仕様がねぇって、わかってる。でも、心がついてこねぇ。」
仕様がないとは思えるようになった、でも、そう簡単にお兄さんの死を理解することが出来ない。
真一郎さんの死を受け入れることが出来ない。
私だってそうだ、彼がもういないなんて・・・あの頃の真一郎さんの笑顔が浮かんだ。
駐輪場まで戻り、バブの姿が目に入る。
「兄貴の形見のバブ、オレの今の愛機だ。」
バブを背に振り向く彼。
「兄貴を殺した一虎だけは、一生許さねぇ。」
場地さんは許せても、一虎さんだけはどんなことがあっても許せないと、真っ黒な瞳を見せた。
場地さんが一虎さん側に行くのも許せないと、真っ黒な感情に飲み込まれそうな彼を心配になり見つめる。
場地さんを連れ戻せと言ったのに、千冬がいて、場地さんがここにいない・・・なにがしたいんだと彼はタケミチくんに言った。
「マジで死にてぇの?」
無表情になり、相当怒っている。
それはタケミチくんだけじゃなく、一虎さんや、東卍を抜けた場地さんに対しても・・・。
タケミチくんは何かを決意したように、マイキーさんの目を見た。