第2章 revenge2
アドレスの中から彼を見付け、通話ボタンを押す。
彼はワンコールもしないうちに電話に出た。
「星那!!オマエ、今どこいんだよ!?」
「千冬の家、わかる?」
「今行く。そっから動くな!」
すぐに電話は切られてしまい、携帯を閉じた。
「星那ちゃん、何があったか教えてくれる?」
千冬の手当てをしながら、おばさんは優しく穏やかに、そう言った。
「彼が来てからでもいい?」
「彼?」
「千冬がいる、東卍の総長、私の彼氏。」
彼女は少し驚き、優しい顔付きでわかったと答えて、千冬の手当てを続ける。
それからはずっと、2人とも無言だった。
インターホンが鳴り、おばさんは玄関に向かった。
おばさんは彼を連れて、リビングに戻ってくる。
彼は私と千冬を見て、目を丸くした。
私に駆け寄り、肩を掴む。
「誰にヤられた!?一虎か!?」
彼の出した名前に私は首を横に振った。
「場地さん・・・。」
ぶわっと涙が溢れ出し、スカートに染みを作っていく。
「場地が・・・?オマエも、千冬もヤったって言うのか?」
こくりと頷き、涙が溢れる。
私は何があったかを全部話した。
「場地さんは何かを隠してる。千冬が憧れる人が、こんなことするはずないっ・・・!」
彼の胸に抱き着き、嗚咽を漏らしながら泣き続ける。
彼はそんな私の背中をずっと摩ってくれた。
「星那、さっきはごめんな?三ツ谷に全部聞いた。」
「ううん、もういい。」
そんなことはもうどうだっていい。
千冬が傷付き、場地さんを止められなかった。
そのことが何よりも、悲しくて、悔しい。
「マイキーさん、どうしても一虎さんを許すことは出来ない?」
「あぁ。」
「一虎さんへの憎しみを全部私に渡して、彼を許すことは出来ない?」
私は彼の分の憎しみも背負って生きていく覚悟は出来てる。
出来るわけがないと、私をきつく抱き締めた。
おばさんが千冬の手当てを終わらせ、私のもしてくれると言ったので、任せることにした。
私が手当てをしてもらっている間、彼はずっと黙って、怒りと憎しみに顔を歪めていた。