第2章 revenge2
一虎さんは、マイキーさんのお兄さんを殺したことを受け入れられずに、全てマイキーさんのせいにしてしまった。
それがいけなかったんだ。
正常な判断が出来ない状態になってしまった。
そしてそれが今もまだ、彼の中に残ってる。
「一虎がオレを庇ってくれたから、オレは年少に入らずに済んだ。オレは一虎が出所するのを待ってたんだ。」
「・・・狂ってる。」
「あ?」
「ちゃんと反省してたら、マイキーさんは許してくれたかもしれないのにっ!!私だって、それなら許せたかもしれない。でも、そんな考えの貴方を・・・私の大切な人を奪った貴方を、私は絶対に、一生許さないっ・・・!!」
涙を流して、声の限り叫んだ。
何がマイキーさんのせいなの。
場地さんもそう思ってるの?
キッと場地さんを睨んだ。
「貴方はマイキーさんに、一虎さんを許して欲しいだけじゃないの?またみんなで仲良くしたいんじゃないの?貴方を慕う千冬はすごく優しいです。それは貴方に似たから・・・。」
涙を流しながら、彼に微笑んだ。
「バカ言うなよ、オレはマイキーを恨んでる。そいつが優しいのは、元々なんじゃねぇの?」
違う・・・千冬は貴方が好きだから、貴方のようになろうとしてるの。
前はこんなに優しくなんてなかったもの。
未だに目を覚まさない千冬を抱き締めて泣いた。
場地さんに芭流覇羅の特攻服が渡され、彼は芭流覇羅になってしまった。
千冬、早く目を覚まして・・・貴方の知ってる場地さんを、教えて・・・。
私はゆっくりと起き上がり、千冬の腕を肩に回して担ぎ、よろけながら、芭流覇羅のアジトを後にした。
千冬の体重を支えきれずに、何度も転びながら、ゆっくりと僅かにだが、進んでいく。
街行く人々が、傷だらけでよろよろと歩く私たちを見て、ヒソヒソと話すのを無視して、千冬の家を目指す。
千冬の家に着き、インターホンを押した。
中からおばさんが出てくる。
「星那ちゃん!?・・・千冬!?」
おばさんに手伝ってもらい、千冬をリビングに連れていく。
「何があったの?」
私の傷を見て、口から垂れた血を拭く。
「千冬を先に・・・お願い・・・私、会いたい人がいるから、迎えに来てもらう・・・。」
千冬を託し、私は携帯を開いた。