第2章 revenge2
彼の目を見て驚いた。
この人・・・瞳に狂気を含んでいる。
なにか、すごく・・・歪んでいるような・・・。
「一虎さん、ですよね?」
「オレのこと知ってんの?」
「マイキーさんと三ツ谷さんから、聞きました。」
2人の名前を出したら、彼の周りの空気が、黒く淀んだ。
やばい人・・・直感的にそう感じた。
話しを聞いていた時から、感じていたが・・・。
「君も来る?」
どこにと、聞こうとしたがなんとくわかった。
タケミチくんを連れて、場地さんが芭流覇羅に行ったこのタイミングで現れた。
ついていくことにし、彼の様子を窺いながら後ろを歩く。
そして、とある潰れたゲームセンターの前で足を止めた。
入り口に首の無い天使の絵が落書きされている。
中に入ると、東卍とはあきらかに雰囲気が違い、殺伐としていてたじろいだ。
すると奥から、ゴッゴッと誰かを殴っているような音が聞こえてきた。
そこに行くと、長い髪を後ろで1本に纏めた場地さんが千冬に馬乗りになり顔を、何度も何度も殴っている。
「なにしてるんですか!?やめてくださいっ、場地さん!!」
彼は聞く耳を持たずに殴り続ける。
千冬の顔からはたくさん血が流れ、気絶していた。
場地さんが千冬をあんなにしているのは、踏み絵だそうだ。
「今場地殴ってんのは、東卍の壱番隊副隊長、場地の1番の腹心だ。」
壱番隊副隊長!?
千冬って、壱番隊副隊長だったの!?
すごい、強いんだ。
場地さんは神であるマイキーさんを裏切るなら、信じる絵、千冬を踏まなきゃいけないと言う。
千冬はきっと一切抵抗していない。
場地さんに傷も何もないからだ。
してないんじゃなくて、出来ないんだ。
千冬にとって、場地さんは大切な人だから・・・信じてるから。
場地さんは殴る手を止めて、荒く呼吸する。
急いで千冬に近付き、守るように頭に覆いかぶさった。
「どうよ、これで認めるだろ?半間クン。オレの芭流覇羅入り。」
髪ゴムを取り、髪をほどきながら、彼はそう言った。
半間って、あの髪を立てて真ん中だけ金髪の人?
「ばはっ、その女、マイキーのだろぉ?・・・そいつもヤれ。」
っ!?