第2章 revenge2
母はよく怒るけど、いつも私のことを理解してくれた。
だから、今回のこともわかってくれると思ってたのに・・・。
「すみません、東卍を辞めることは出来ません。オレは不良の時代を創る為に、仲間と東卍を創り、総長としてみんなを引っ張っています。」
「総長・・・?」
「はい。東卍を辞めることは出来ませんが、星那を手放すことも出来ません。お願いします、認めてください。」
私は彼にとって、東卍と同じくらい大切だと言うの?
その言葉に胸が熱くなり、涙を溢す。
手をぎゅっと握られ、彼の顔を見ると、真っ直ぐに私の両親を見つめていた。
「いいじゃないか、母さん。青春だよ。それに彼は真剣だ。」
「私たちは刑事よ、暴走族なんて・・・。」
暴走族なんてどこにもある、犯罪に手を出していなければいいだろと、父は優しく言った。
「もし、貴方が犯罪を犯したら、娘の隣には立てないと思いなさい。」
母も一応は、許してくれたようだ。
まぁ、中学生でバイク乗ってる時点でやばいと思うけど・・・。
「ありがとうございます。・・・星那の手当てしてもいいですか?」
その言葉を聞くと母は、救急箱を持ってきてくれた。
彼は消毒液を出して、傷口につけていく。
「いっ!・・・手当て、出来るんだ。」
「オマエ、オレをなんだと思ってんだ?」
母がご飯を食べたの?と聞いてきたので、まだと答えると、準備をしに行ってくれた。
父はパソコンを弄りに行った。仕事だろう。
片足をソファーに乗せて、膝の部分が破れた七分丈のズボンを少し捲って、彼が手当てしてくれるのを見つめる。
「マイキーさんごめんね、私のせいで・・・。」
「オレのことを知って、認めてくれた。オマエは謝ることなんてなんもしてねぇ。」
そう言って、黙々と手当てをする。
羽織っていた上着を脱げと言われ、脱いで肘を見せる。
肘が終わるとおでこを診てくれる。
ウトウトと眠気が押し寄せてきた。
「こら、寝るな。」
膝立ちになっておでこを手当してくれる彼に、もたれるように崩れた。
「おい、まだ終わってねぇぞ。」
いつの間にか、彼の声が遠くなっていった。