第2章 revenge2
私の口の中に唾液を残して、離れていく唇。
「女の家の前で、ちゅーするとか・・・親父さんに殺される。」
「ふふっ、お父さん、お母さんより優しいよ!」
父はすごく優しい。
怒られた記憶がほとんどない。
母は結構怖いけど、私を理解してくれる。
私はそんな両親が大好きだ。
だから、東卍に殺される未来は私が無くす。
彼に殺されるなんて、絶対に嫌だから。
彼の手を引いて、玄関のドアを開けて中に入ると、母が待ち構えていた。
怖っ・・・顔が鬼の形相だ。
仕方ない、ただ彼のとこに行くと行き先も告げず、引き止める声を無視して出たんだ。
心配してくれる母を懐かしく思い、胸が温かくなる。
「あの、申し訳ありませんでした。」
頭を下げる彼。
初めて見た、彼が敬語を使うなんて。
「マイキーくん、貴方ね、中学生の女の子をこんな遅くまで連れ回して、あげく怪我までさせるなんて、何を考えてるの!?貴方のこと信用してたのに・・・。」
頭を下げたまま動かない彼。
病院では、ドラケンさんに無理矢理下げられるまで、反抗してたのに・・・。
「お母さん!!彼は何も悪くないの!私が全部悪いの!!だから、マイキーさんを怒らないで・・・。」
勝手に家を出て行って、怪我をしたのは私だ。
彼は何も関係ない。
母は彼を家に上げて、リビングに通す。
「とりあえず、もう遅いから泊まっていきなさい。お家には私が連絡するから。」
23時を回ろうしている。
そっか、中学生だとこんなに怒られるんだ。
「すみません、家には自分で連絡します。」
ソファーに両親と向かい合って座った。
「私、マイキーさんに呼ばれて行ったんじゃないの。ただ私がマイキーさんに会いたかっただけなの・・・。」
「その怪我は?」
「階段で転んだ。」
「本当に?」
前に襲われそうになった時の怪我も、転んだと説明したので、疑っているようだ。
何があったか全部話した。
彼が暴走族だと言うことも、私がその暴走族に入ることも。
「何を考えてるの?貴方は女の子でしょ!そもそも暴走族なんて・・・どうしてマイキーくんを選んだの?刑事の娘でしょ?」
その言葉に怒りを覚えながら、悲しくなった。