第2章 revenge2
彼は背を向けて歩いて行くが、1度止まり、顔だけを振り向かせた。
「星那、帰んねぇの?」
「へ?」
「送ってく。」
その言葉に笑顔で返して、後を追いかけた。
これで本当の意味で、彼の隣に立てた気がした。
「本当に喧嘩すんだな。」
「え?するよ?だって東卍に入ったんだし、しなきゃいけないでしょ?」
「女だから、狙われるぞ。」
バイクの後ろで彼にしがみついて、耳元で話す。
狙われるのはわかってる。
それでも、貴方の1番近くで、貴方を守りたい。
「喧嘩の時は、オレから離れるな。」
「うん・・・出来たらね。」
怖がんないで、殴らなきゃいけない。
殴るのも、男の人も怖いけど・・・彼の為に。
「今日、泊まっちゃダメ?」
「うん、ダメ。」
「どうして?」
いつも彼から誘ってくれるのに、どうして?
彼の言うことを無視したから?
彼を殴ろうとしたから?
嫌いになっちゃった?
「オマエ、まだオレのこと怖ぇだろ。」
「なんで?全然怖くないよ?マイキーさんが信用してる人も怖くない。」
「場地や三ツ谷が怖くないのは、そういうことか。」
オマエを傷付けたくないと言われ、それ以上は言えなくなった。
渋谷の街の光が幾つもの線になって流れていく。
遅くなったし、怪我のこともオレが謝ると聞かず、彼も親に会うことになった。
マイキーさんは何も悪くないんだけどな・・・。
「マイキーさん、私、マイキーさんが好きだよ。」
「なんだよ、急に。」
「好きだなぁって思ったから。」
彼にこの胸の高鳴りを、背中にくっつけた胸から伝わって欲しい。
あれから少し経ち、家についてしまった。
もっと、2人でいたかった。
バイクを敷地内に止めて、中に入る前に話しかける。
「キス、して・・・。」
「は?・・・さっきはオマエを止める為にしたんだ。オマエがオレを怖がってる限り出来ねぇよ。」
と、目を反らす彼。
もう怖くないんだってば。
彼の首に腕を回して、軽く触れるだけのキスをした。
「ほら、怖くないよ?」
「本当にオマエは・・・。」
「んっ!・・・ふっ、んっ・・・。」
今度は彼から口付けて、舌が絡んだ。