第2章 revenge2
人の流れに逆らって、階段を上がっていく。
「オレが怖いか?」
「え?」
「さっき、少し聞いたから。」
マイキーさんかタケミチくんかな?
「千冬が言ってた。」
千冬が・・・。
彼はマイキーさんが信用してる人だ、大丈夫だろう。
彼についていくと、木の陰に隠れた。
「タケミ・・・んぐっ!?」
階段に横になるタケミチくんを見付けて叫びそうになると、三ツ谷さんに口を押さえられた。
驚いて彼を見ると、人差し指を立てて口にあてている。
それを見て頷くと、手を離してくれた。
横になるタケミチくんの横にマイキーさんが座っている。
タケミチくんが起きたようだ。
「稀咲・・・気に入らない?星那も嫌みたいだ。」
「え!?いやっ、その・・・あ、星那ちゃんは・・・星那ちゃんは大丈夫なんスか!?」
「三ツ谷に任せた。」
どうしてタケミチくんが気絶してたのか聞くと、稀咲に殴られたと、三ツ谷さんが教えてくれた。
唇を噛み締めて、拳を強く握った。
「組織をデカくすんのは、しんどいね。新しい風入れたら、出て行っちゃう奴もいる。」
稀咲と場地さんのことか・・・。
どうして、場地さんは出て行っちゃったんだろう。
真意を聞けなかった。
たぶん、友達のことよりも大きな問題があるんだと思う。
「夢への道は遠いな。」
不良の時代を創る、それが、今の時代にとって、どんなに難しいことだろう。
「頼みがあるんだ、タケミっち。」
タケミチくんに、頼み?
「オレ、幼なじみがいてさ。」
楽しそうに、嬉しそうに、その幼なじみのことを話す。
大好きなんだ。
それが壱番隊隊長だと言う。
場地さんはいろいろとすごい人だ。
眠いってだけですれ違った人を殴り、お腹が空くと車にガソリンを撒いて火をつけちゃうらしい。
でも、場地さんはとても優しい人だ。
彼に会って、直感的にそう思った。
「東卍の創設メンバーなんだ。」
創設メンバー・・・ほら、やっぱり、マイキーさんにとって、東卍にとって、大切な人じゃない。