第2章 revenge2
みんなが開けてくれた道を大っ嫌いなあいつに向かって、全力で走る。
「殺してやるっ!!!」
「星那・・・?」
稀咲に殴りかかり、馬乗りになってまた殴る。
「稀咲・・・あんただけは・・・!」
「星那、やめろ!!」
「星那ちゃん!?」
ドラケンさんに後ろから取り押さえられても、暴れて逃れようとした。
こいつだけは・・・。
ヒナを殺し続け、マイキーさんの大事なものを奪おうとするこいつだけは・・・。
「星那、もういい、泣くな。」
ドラケンさんから私を奪うように、正面から抱き締められた。
泣くな・・・?
私、泣いてるの?
「何があった?傷だらけだぞ。」
そんなの、どうでもいい。
こいつを・・・こいつをっ・・・!!
「離してっ!」
きつく抱き締める腕から抜け出そうと、藻掻く。
「落ち着け、大丈夫だから。」
優しく穏やかに、諭される。
「やだっ・・・・・・っ!?」
後頭部を押さえ付けられ、キスをされる。
「んっ、離し・・・。」
それでも抵抗しようとすると、舌を入れられ、激しく唇を奪われる。
「ん、あ・・・やっ・・・。」
口の端から唾液が溢れると、それを舐め取り、そこで激しい口付けが終わった。
「落ち着いたか?」
そこでやっと彼と目を合わせることが出来た。
「ふっ、うっ・・・あああっ!!」
声を抑えることが出来ずに、泣き叫び、彼にしがみついて、子供のように泣いた。
彼は泣いている私を抱き締めながら、みんなに話し出す。
「参番隊隊長は稀咲鉄太!!覚えておけ!!!参番隊隊長、任命式を終わる!」
は?
誰が、参番隊隊長だって?
稀咲鉄太・・・?
何を言ってるの?
こいつなんかを東卍に入れないでよ・・・!
でも、東卍でもない私が何を言ったって聞いてもらえない。
やるせなくて、悔しくて・・・彼の服をぎゅっと握った。
「それと、こいつはオレの女だ!手ぇ出したら、ぶっ殺す!!」
そう言った彼は私を横抱きに抱え上げて、みんなに背を向けて歩き出す。
彼の首に腕を回してしがみつき後ろを見ると、稀咲が立ち上がった。