第1章 revenge1
タケミチくんが東卍はどうなってしまったのかを聞くと、オレのせいだと言う。
「オレがアイツを止められなかったから。」
アイツって誰のこと?
「東卍か・・・ガキの頃はよかったな。」
ドラケンさんは嬉しそうに微笑んだ。
「東卍はオレの全てだった。もう1回人生やり直しても、オレは同じ生き方を選ぶ、後悔はねぇ。」
笑っている。
本当に大好きだったんだ。
私もだよ・・・。
「けどよ、本当にもう一度人生をやり直せるなら、1つだけやんなきゃいけねぇことがある。」
彼は俯き、身体に力を入れた。
そしてまた顔を上げた。
「稀咲を殺す!」
身震いを覚える程の殺気だ。
「稀咲って、あの・・・!?」
タケミチくんが立ち上がり、声を上げる。
その瞬間、面会終了を告げるブザーがなった。
「タケミチくん、星那ちゃん、東京から離れろ。」
え?
どうして・・・?
「なんでオレらが命を狙われるんですか!?」
出て行こうとする彼にタケミチくんは問いかけた。
「稀咲はマイキーに心酔してた。でも、それがいつの間にか、憎悪に変わってた。稀咲は、マイキーの大丈夫なもん、全てを奪いたいんだよ。」
稀咲・・・あいつだけは絶対、許さない。
「私が、稀咲を殺す!!」
息を荒げ、面会室を出ていく彼を見送った。
その後、直人くんが稀咲鉄太について調べてくれた。
わかったことは・・・。
今の東卍の最重要人物の1人にして、総長代理。
警察も総力を上げて捜索しているが、尻尾さえ掴めていない。
そして、彼がヒナを殺し続けている張本人かもしれない、ということ。
大切な人をみんな救う為、タケミチくんは稀咲への手がかりがないから東卍のトップになる。
私はそのタケミチくんの手助けをし、マイキーさんが誰かを傷付けそうになったら、殴ってでも止める。
今度こそ、やるべきことをやる。
「そういえば星那ちゃん、ドラケンくんは大丈夫だった?」
「え?あ・・・そういえば、全然怖くなかった・・・。」
「やっぱり、マイキーくんが関係してるのは間違いなさそうだな。」
怖がってなんていられない。
彼らは目の前で、握手をした。