第1章 revenge1
その後は直人くんといるのが怖くて、帰ってしまった。
そしたら、今、こんなところにいる。
ヒナの写真が目の前に、たくさんの花たちと一緒に飾られている。
「うっ、あ・・・。」
どうして、救えないの・・・?
ドラケンさんを救ったのに・・・。
ヒナが乗っていた車に車が突っ込んだ。
突っ込んだのは、アッくんだった。
アッくんは奥さんも子供もいたみたいで、家族を東卍に捕られて言いなりになるしかなかった。
どうして、ヒナが殺され続けなきゃならないっ!
どうして、アッくんが利用されなきゃならないっ!
どうすればいいの・・・?
タケミチくんが燃え上がる炎を見て、誓った。
「東卍を潰す!その為にオレが過去の東卍の、トップになる!」
タケミチくんがトップになれば、東卍の巨悪化を止められるかもしれない。
直人くんには、無茶な話と呆れられる。
「ヒナを救えるなら、どんな無茶でもする!」
そうだ、タケミチくんはこんなに強いんだ。
みんなを救えるのは、私たちにしか出来ない。
だったら、なんだってしなきゃならないんだ。
私もちゃんと覚悟を決めなきゃならない。
「なら、私は、タケミチくんがトップになる為の手助けをする。必要ならマイキーさんを殴ってでも止める。私が稀咲を殺す。」
あの時マイキーさんに言われたんだ。
オレが大切な人を傷付けそうになったら、オレを殴ってでも止めてよ。
暴力は嫌いだ。
でも、大切な人を救う為なら、なんだってする。
その覚悟がなきゃ、もうきっと、誰も救えない。
ドラケンさんがいるのに、どうしてこうなってしまったのか。
直人くんが今のドラケンさんについて調べてくれることになった。
それから結構経ち、10月20日になった。
直人くんに連れて来られたのは、拘置所だった。
ドラケンさんは今の東卍にはいなく、死刑囚になっていた。
拘置所の面会室で待っていると、ドラケンさんが入ってくる。
丸坊主になった彼は、私たちの前の椅子に座った。
ガラスで隔てられているが、初めて現代で彼に会えた。
「久しぶりだな、タケミっち、星那ちゃん。無事でよかった。」
微笑んだ彼に、ぶわっと涙が溢れた。