第1章 revenge1
よかった・・・助手席側の後ろでヒナの隣だ。
「星那も、すごく久しぶりだね。」
「え?」
「あのお祭りの日から全然会ってくれなくなって、学校も来なくて、11月に転校しちゃったじゃん。」
どういうこと?
確かにあれから誰とも会えなかったけど、マイキーさんのことはそんなに怖いと思わなくなったから、大丈夫だと思ってたんだけど・・・。
今の私は、まだそんな時間が経ってないから、直人くんが怖いだけ。
「もう大丈夫なの?」
「あ、えっと・・・。」
「星那ちゃん、直人が怖いみたい。たぶん、直人だけではないと思うけど・・・。」
タケミチくんが答えてくれる。
「直人が?・・・直人、星那になんかしたの!?」
「なにもしてないよ。」
「ウソつけ、なにもしてないのに・・・。」
「本当だから、直人くんは何もしてない!ただ私が勝手に怖いだけ!!」
それならいいけどと落ち着いてくれた。
「星那ちゃん、従兄弟はマイキーくんのことどう思ってんの?」
「マイキーさんのこと?たぶん好きだと思うけど・・・。」
なんでそんなことを聞くんだろう。
千冬は東卍だ、きっとマイキーさんのことを好きだろう。
でも、何か関係あるの?
「オレもマイキーくんのこと好きだし・・・でも直人だけマイキーくんのことが嫌いじゃん?だから、マイキーくんを信用してる人か、マイキーくんが信用してる人なら怖くないんじゃない?」
まだ他に会ってないからわかんないけど、今の段階だと確かにそれはありえそう。
でも千冬は、前にずっと一緒にいてくれたから、怖くなかった。
「あの、確かにそのことも大事かもしれませんが、姉さんとタケミチくんが話せるようにドライブに来てるんですが。」
そうでした、邪魔者がすみませんでした。
「そんな言い方酷いよ、直人!」
「大丈夫だよ、その通りだし。」
でも、2人は一気に静かになった。
なんで部屋にいた時と何も変わんないんだよ。
「ねぇ!車止めて!!」
ヒナのその声に直人くんが車を止めた。
「星那には悪いけど、タケミチくんと2人で歩いて来てもいい?」
気にしないでと答えると、2人で車を降りて歩き出した。