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腐った人生をもう一度【東リべ:マイキー】裏

第1章 revenge1


彼の手がゆっくりと私に近付いてくる。

肌に触れる瞬間、私の身体は勝手に拒んで、後ろに逃げた。


彼は手をぎゅっと握って、腕を戻した。


心はこんなに彼が好きだと叫んでるのに、身体が言う事を聞かなくて、怖いと拒む。


「ち、千冬、助けて・・・マイキーさんに触れたい・・・。」


ベッドに座っている千冬の足にしがみついた。


「こんなに・・・こんなに好きなのにっ、怖いのっ・・・!」


千冬はただ優しく頭を撫でてくれる。


「星那、その血は?蹴られたのは、デコだよな?」


「これは・・・。」


着ているパーカーのファスナーを少し下げて、袖で血をゴシゴシ擦った。


「こら、そんな強く擦んな。」


腕を取られ、無数の引っ掻き傷の中に歯型が見える。


「は?・・・なんだよ、これ・・・オマエっ・・・!」


これも彼に見せなきゃいけないよね。

跡、付けられちゃったんだよって。


本当に拒絶されるかもしれない。


千冬の傍から離れると、またガタガタと震え出す身体。


マイキーさんの前に膝立ちになり、噛み跡が見えるように胸元を開く。


「っ!?・・・それ、キヨマサが?」


頷いた瞬間、彼を纏う空気が冷たくなり、無表情になった。


「ひゃっ!?」


彼は私の胸に飛び込みぎゅっと抱き締めて、忌々しい跡を上書きするように噛み付く。


あの男のようには痛くなくて、血が出ないように、跡だけが残るように何度も何度も噛む。


「まっ・・・や・・・。」


「マイキーくん!?今はっ・・・。」


怖・・・・・・くない?


「マイキー、さん・・・ん、だめ・・・まだ、血、出てる、から・・・。」


他人の血を飲んだりするのは、良くない。


何度も何度も噛んだり、吸ったりを繰り返してる。


少し痛いけど、気持ちいい・・・。


必死に私の胸に食いつく彼を見て、私は、彼と一緒にいたいと思った。

さっきまで、あんなに怖かったのに、今は全然怖くない。


私の身体が、彼は恐怖の対象じゃないと、やっと認識してくれたみたい。


「千冬、ありがとう・・・私、マイキーさんといたい。」


千冬に顔だけを振り向かせて言うと、優しく微笑んで、帰っていった。


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