第1章 revenge1
タケミチくん、まだ戻らないのかな・・・。
もう、ここにいたくない。
始めから、マイキーさんになんか関わんなきゃ・・・過去なんかに来れなかったら・・・そしたら・・・こんなに辛くならかったのに。
どうしてっ・・・。
目を瞑れば瞼の裏に浮かぶ、マイキーさんの笑顔、私が欲しいと訴える瞳、可愛くむくれる顔、怒った顔、苦しんでる顔、その全てが愛しい。
頭の中に響く、マイキーさんの笑い声、私をからかう無邪気な声、優しく囁く声、低くて冷たい怒った声、苦しむ声、その全てが愛しい。
そうだ、私はマイキーさんの傍でたくさんの幸せを感じたんだ。
辛いだけじゃなかったんだ。
何も出来ずに腐った人生を私は、やり直すと決めた。
これじゃあ、また腐った人生を繰り返すだけだ。
マイキーさんがくれた幸せを、腐らせたくない。
だけど、怖いんだ拒絶されるのが・・・私が彼を拒絶してしまうことが・・・。
あの時、あの男が怖かった。
未だに身体が震えるくらい。
初めて、襲われた時のことも思い出してしまう。
マイキーさんを目の前にした時、怖くて震えて拒絶してまったら、もう・・・本当に一緒にいられなくなる。
彼に誓ったのに、彼が怖くなってしまったら・・・それがすごく怖い。
それに私は彼以外の跡が、この身体に残ってる。
嫌だっ・・・。
あの男の噛み跡を、何度も爪で引っ掻く。
「消えて・・・消えてよぉ・・・ぅあ・・・うっ・・・。」
「星那。」
っ!?
大きく身体を震わせた。
優しく私の名前を呼ぶ、彼の声が聞こえた。
布団の中で、身体が固まって動かなくなる。
「星那、キヨマサに何された?」
やめて・・・出て行って・・・。
「星那。」
布団の上から私に触れる。
「やめてよっ!来なかったくせにっ!!一緒にお祭り行ってくれなかったくせにっ!!」
彼の手を払って、壁際に行き布団を被って、蹲った。
違う・・・こんなことをしたかったんじゃない、言いたかったんじゃない・・・。
涙が止めどなく溢れて、布団を濡らしていく。
こんなことしか出来ない私が嫌だ。
消えてなくなりたい。