第1章 revenge1
「あ?なんだよ、花垣じゃねぇか。」
タケミチくん・・・?
「キヨマサくん、星那ちゃんを離せ。」
「タケミチくん、ドラケンさんは!?」
この人たち、ドラケンさんがどうとか言っていた。
ドラケンさんに何かしようとしてるんだ。
「え?ドラケンくん?」
「おいっ花垣、ジュース買ってこい、オレ、コーラな。」
タケミチくんの身体がガタガタと震えだす。
タケミチくんが痛め付けられていく。
殴られて、蹴られて・・・。
「やめて・・・やめてよっ!!」
タケミチくんが土下座をした。
どうして・・・どうして暴力で支配するの。
「おい、ガムテープ。」
ガムテープで何をするの?
タケミチくんがガムテープでぐるぐる巻きにされて、転がった。
なんてことするの。
「オレがドラケン殺したら、オマエに罪、被ってもらうからよ。芋虫みたいに転がっとけ、カス!」
ドラケンさんを殺す・・・?
何を言ってるの?
ドラケンさんとマイキーさんは仲直りしたんじゃないの?
そうか、2人が仲直りしても、納得しない人たちがいるんだ。
「あんたなんかに、ドラケンさんを殺させないっ!」
「あ?女がいきがってんじゃねぇよ!」
「いっ!!」
顔を思いっきり蹴られ、おでこから血が流れてきた。
キヨマサたちはそのままいなくなり、タケミチくんと私だけが雨の中、地面に転がっている。
「タケミチくん!?星那!?どうしたの!?何があったの!?」
ヒナ・・・来ちゃったんだ。
ヒナが私たちを交互に見つめた。
「タケミチくんを早く・・・。」
ヒナは唇を噛み締めて、頷いた。
せっかく着付けてもらった浴衣も、可愛くセットしてもらった髪もぐちゃぐちゃだ。
おでこからは血が流れて、熱を持って腫れ上がった。
ヒナはタケミチくんの口に付けられたガムテープを剥がした。
「ごめん、1人にして・・・。」
なるべく聞かないように雨の音に耳を傾け、目を瞑った。
早くドラケンさんのところに行かなきゃいけないのに、身体が言う事を聞かない。
私は何も出来ない・・・。