第1章 revenge1
2人は驚いたような顔で、少し言葉に詰まる。
「なっ・・・佐野万次郎は姉さんを殺した張本人ですよ!?そんな奴を救う?そんなことしたって意味がありません!!」
そんな奴って言わないで・・・彼だって、したくてしたはずじゃないんだよ・・・。
涙が出てくる。
好きな人をそんな風に言われて、悲しくない人はいるだろうか。悔しくない人はいるだろうか。
「マイキーさんは・・・マイキーさんはそんな人じゃない!!きっと、なにかあったんだよ!」
「ですがっ・・・。」
「それが出来ないなら、私はヒナもマイキーさんも1人で助けるから。」
濡れた目で直人くんを睨んだ。
「っ・・・わかりました、協力しましょう。こちらとしても、過去に行ける協力者がいれば、確率は倍になりますから。」
それから1日寝ずに直人くんから東卍について叩き込まれた私たちは、もう1度過去へ行くことにした。
握手をする2人を見た。
次の瞬間私は、中学の制服を来て、ヒナと2人歩いていた。
きっと私とタケミチくんは繋がってるんだ。
だから、タケミチくんが直人くんと握手するタイミングで私も過去へ飛べた。
「おーい、星那?・・・ねぇ、星那ってば!」
「わあっ!ヒナ、ごめん。なんだっけ?」
考え事をしてたら、ヒナの話を聞いてなかった。
「もう・・・、だからこの前、タケミチくんがまた怪我して来たの。どうして男の子は喧嘩ばっかりするんだろうね?」
「んー、私女の子だからわかんないや・・・。」
あはははと苦笑いで返す。
東卍の人の奴隷になったって言ってたやつかな。
ヒナが男の子だったら絶対守るのに、とか言ってて、本当かっけぇっす、ヒナさん。
「そういえばさ、星那は好きな人いないの?」
「んー好きな人かー・・・いるよ!」
「えっ、誰っ!?」
この年頃の女の子って、本当この話題好きだなぁ。
「ヒナの知らない人っ!」
えー誰よーって言ってちょっかいをかけてくる。
本当にこの時は、毎日が楽しかったな。
そういえば、タケミチくんどうしてるかな?
今回のミッションはお互い、佐野万次郎か稀咲鉄太に会うこと。
絶対に成功させる。