第1章 revenge1
これは口出し出来ないな、タケミチくんに任せよう。
「アンタら2人がモメたら、周りにどんだけ迷惑かけるか、わかってねぇだろ!?」
彼らはただの中学生じゃない、不良のチームを率いる、総長と副総長だ。
「2人を慕ってついてきた皆だって、モメちゃうんだよ!?2人だけの問題じゃねぇじゃん!!東卍、皆バラバラになっちゃうんだよ!?そんなの、悲しいじゃん!!」
号泣だ。
もちろん、泣き虫の私も。
「オレ、やだよ。そんなの見たくねぇよ!!自分勝手過ぎるよ、2人はもっと、かっこよくいてよ。」
きっとこれは、全部タケミチくんの本心だ。
ヒナを救いたいとか、そういうんじゃなくて・・・本当にそう思ってるんだ。
「タケミっち、あのさ・・・さっきからずっーと、頭にウンコついてるよ。」
え?
本当だ、ついてる。
「キッタネー、タケミっち!!」
「なんで、もっと早く言ってくんないんスか!?」
「だって、すげー真剣なんだもん。」
笑ってる。
2人が一緒に笑ってる。
「逃げろ、ケンチン。」
「臭っせっ。」
2人して逃げていった。
タケミチくん、すごいよ、2人を仲直りさせちゃったよ。
アッくんたちも逃げていってしまった。
「ありがとう、タケミチくん。私じゃ、何も出来なかった。」
「え?ううん、星那ちゃんもマイキーくんを必死に説得してくれたでしょ。」
「さっ!早く洗って来なよ、待ってるから!」
タケミチくんが髪を洗い、みんなと合流した。
アッくんたちがサッカーをしてるのを、4人で座って見てる。
「オレが悪かったよ、マイキー。」
「ううん、オレの方こそ、ごめん。」
「でも2人はなんで喧嘩なんか?」
「「・・・忘れた。」」
横になったマイキーさんの顔を覗き込んで、ニコッと笑うと、彼もまたニコッと微笑み返してくれる。
「パーが出てきたら、いっぱいお祝いしよーな。」
彼は満面の笑みでそう言った。
2人が仲直りした。
内部抗争は防げたはずだ。
ドラケンさんはもう大丈夫だ。
直人くん、ミッション成功したよ。
タケミチくんが成功させたよ。