第1章 revenge1
ファンファンファンとサイレンが聞こえてきた。
「やべ、サツだ。」
警察って・・・やばいじゃん!
「逃げんぞ!タケミっち、星那!」
「あ、ちょっ・・・。」
なんでそんな楽しそうなの・・・。
長内を置いて逃げようとする愛美愛主に、ドラケンさんが声を掛けた。
「自分らだけ逃げようとしてんじゃねぇよ。長内に肩貸してやれ!」
待って、これで本当に終わったの?
ドラケンさんは助かったの?
長内が言っていた、抗争はキッカケに過ぎなかった。
キッカケって・・・どこかにあったっけ?
長内をチラっと見た。
っ!?
「てめぇだけは許せねぇんだよ、長内。」
パー、さん・・・?
パーさんが持ったナイフが長内の背中に刺さっていた。
「なにやってんだよ、パー!!」
ドラケンさんがパーさんを突き飛ばして、長内から離れさせた。
刺した・・・パーさんが長内を?
どうなって・・・抗争は終わったんじゃ・・・。
愛美愛主が東卍の傘下になって、終わったんじゃないの・・・?
サイレンの音が大きくなる。
「逃げるぞ、パー!!」
マイキーさんが声をかけるけど、パーさんは動かない。
「ごめん、マイキー。ぺーやん、参番隊を頼む。オレ、自首する。」
パーさん・・・。
ショックで動けないぺーさんとパーさんを連れて行こうとするマイキーさんをドラケンさんが無理矢理連れていく。
マイキーさんが何度もパーさんの名前を呼んだ。
彼らを追いかけて、私も必死に逃げた。
パーさん、いつまでも待ってます。
逃げてる途中タケミチくんが倒れてしまった。
「タケミチくん!」
「タケミっち!」
そっか、何度も殴られてたから・・・。
「星那、行くぞ。」
マイキーさんに手を引っ張られる。
「待って、タケミチくんが・・・!」
「星那ちゃん、大丈夫だ!エマに電話した!」
エマちゃんに・・・?
逃げなきゃ、私まで捕まる。
エマちゃんなら、きっと大丈夫だ。
繋がれた手が離れないようにぎゅっと握って、必死に走り続けた。