第1章 revenge1
パーさんと一緒にいた人がタケミチくんの後ろにしゃがんで、話しかけた。
「パーちん舐めんなよ、花垣。」
「・・・ぺーやん・・・。」
あの人、ぺーさんって言うんだ。
喋り方とか声が少し怖いけど、あの人・・・ずっとパーさんの近くにいた。
ぺーさんにとって、パーさんって・・・。
「パーちんは東卍でもバリバリの武闘派。1人で突っ込んで、チーム1個潰しちまうような奴だ。長内なんかにゼッテェ負けねぇ。」
負けないのはわかってる。
親友の為にあそこまでやれる人が負けるはずない。
でも、私たちは・・・。
「そういうことじゃないんスよ。」
私たちはこの抗争を止めなくちゃいけない。
じゃないと、大切な人たちを救えないっ・・・!
「パーさんがあいつらをヤりたいってのは、わかってる・・・でも抗争は・・・。」
タケミチくんはあんなにボロボロになっても、まだ諦めてない。
「タケミっち、星那、黙って見てろ、これはパーの喧嘩だ。」
パーさんがパンチを繰り出そうとするけど、その前に殴られる。
そのまま素早く2発。
そしてもう1発、顔面に食らった。
「やべぇ!!モロに食らった。」
鼻の骨が折れながら、意識を飛ばしながら・・・それでもまだ立ってる。
パーさんは負けられないんだ。
「パーちん!!」
ぺーさんが、パーさんに向かって走っていく。
「ぺー!!黙って見とけっつったよな?」
マイキーさんがぺーさんを止めた。
でもこれ以上は・・・。
タケミチくんが必死に止めようとしてる。
「パーちん死んじゃいますよ。止めましょうよ!!」
そうだ、あの長内はきっと死ぬまでやる。
「そうだよ、もう止めよう、マイキーさん。」
「なんで?まだ諦めてねぇじゃん。」
っ!?
どうして、そんな風に笑ってるの?
パーさんが、あんなにやられてるのに。
何度も殴られて、蹴られて・・・あんなの喧嘩じゃない。
ただの拷問だ。
強烈なパンチを顔面に食らった。
もうダメだ、気絶してる。
「パーさん!!」
倒れるっ!
っ!?
駆け寄ろうとした足を止めた。
支えたのはマイキーさんだった。
よかった・・・。