第1章 revenge1
「確かに東卍と抗争はした。でも殺したのはオレらじゃない!」
この感じ、嘘じゃない。
「あれはキッカケに過ぎなかったんだ。あの後、東卍は内部抗争を始めた。」
本当に内部抗争はあったんだ。
あの2人がそうなってしまったら、私は何が出来るの?
愛美愛主との抗争すら、止められないのに・・・。
「そして8月3日・・・ドラケンが死んだ。全部アイツの策略だったんだ。」
「アイツ?」
長内は深く頭を抱え、振った。
「・・・すまん、これ以上は話せない。」
「アイツって誰なんですか!?教えてください!!」
「星那さん、落ち着いてください!」
立ち上がって長内に詰め寄ると、直人くんに止められる。
「直人くん!私は、マイキーさんを救いたいのっ!!その為に、ドラケンさんが必要なの!・・・私はもう、誰も失いたくない!本当の彼がいない世界なんて生きる意味なんてない!!」
「東卍とは関わりたくないんだ。」
「私は、ただ・・・彼が笑って生きててくれれば、それでいい。東京卍會は、幸せな場所じゃないの・・・?」
それから長内は仕事場から電話があり、戻ってしまった。
感情的になって泣いてしまった私を、2人が支えてくれて、直人くんの部屋に戻った。
部屋に入った後も泣き止むことが出来ずに、タケミチくんが寄り添って肩を摩ってくれる。
2人が何か話し合っている。
でも、何も耳に入って来なくて、何を喋ってるのかわからない。
泣いてばかりじゃダメなのに・・・。
泣いてる暇なんて、ないのに・・・。
私が彼を救わなきゃいけないのに・・・。
「星那さん、大丈夫ですか?」
「これから過去に行って、愛美愛主との抗争を止める。星那ちゃんはムリそうなら、何もしなくていい。オレが1人でも止めてみせるから。」
タケミチくんは、本当に強いなぁ。
ここでウジウジしてたって、何も変えられない。
それじゃあ、前と一緒だ。
せっかく、やり直すチャンスを与えられたんだ、やらなきゃいけない。
大切な人を守ると決めたから。
「ごめん、タケミチくん、直人くん。もう大丈夫。一緒に止めよう!」
2人が握手をした。