第1章 revenge1
「あ、あの、私、三浦星那です。橘直人くんですか?」
声が震える。
お願い、直人くんでありますように。
「はい。姉のご友人ですよね?」
「そうです!・・・よかった、覚えてくれてて・・・。」
直人くんが生きてるってことは、あれは夢じゃなかった。
私は12年前にタイムリープした!
多分・・・。まだ確証はない。
「どうかなさいました?」
「あの、すごく失礼なことを聞くんだけど・・・直人くん、ヒナと一緒に亡くなってなかった?」
やば、ド直球過ぎるっ!最低だ・・・。
「っ!?・・・星那さん、昨日、どこにいました?」
どうしてそんなことを聞くの?
正直に話せばいい?
でも、あんなこと信じれるわけない。
「あ、えっと・・・夢かもしんないけど・・・。」
もういい、言っちゃえ!
「12年前の昨日、2005年7月4日の渋谷・・・。」
あぁあ、絶対夢だって言われないかな?言われるよね。
「星那さん、今からお会い出来ませんか?」
何故?病院行けとか言われる?
どうせ暇だったので、会うことにした。
直人くんが指定した住所に言ってみると、彼が事務所として使っている部屋だった。
刑事になったみたいで、部屋にあるホワイトボードには現代の東京卍會について、たくさん書かれている。
その中の1つの写真に目がいく。
その写真に写っている人物は、首筋に龍の刺青が入っており、横顔だけしか写っていないが、すぐに誰だかわかった。
「マイキーさん・・・。」
救えなかった、愛しい人。
6歳の頃にたった1度だけ会ったことがある、初恋の人。
写真に写っている彼はもう大人なのに、すぐに誰だかわかってしまう程、恋焦がれてる。
「星那さん、大丈夫ですか?」
私はいつの間にか泣いていた。
写真を見つめたまま私は、愛してると心の中で呟いた。
「ごめん、なんでもない!」
急いで涙を拭い笑ってみせる。
視界の端に、懐かしい人物を捉えた。
「タケミチくん!?」
「えっ、星那ちゃん!?」
どうしてここに彼が・・・。