第7章 revenge4.5
座ったまま寝たと思っていたがソファーに横になっていて、毛布が掛かっている。
「・・・・・・万次郎?」
「ん?おはよ。」
ソファーで寝ていた彼を探して声をかけると、すぐ近くにいた。
彼が私をソファーに寝かせてくれていたのか・・・いつ起きたんだろう。
ちゃんと眠れたかな・・・?
昨日、ココさんが何の用だったのか聞かれ、大したことじゃないからすぐ帰ったと言っておいた。
さすがにあれは言えない。
私が殺されてもいいって言わられたら、耐えらんないし・・・ココさんを殺すって言ったら、止めなきゃいけないし・・・どっちもキツいわ・・・。
考えてたらどうした?と聞かれて、慌ててなんでもないと返したら、怪しまれた。
誤魔化す為にご飯を作ることにして、急いでキッチンに向かう。
昨日の残りの卵を使って、目玉焼きを作ろう。
ちゃんと潰してひっくり返してね。
「オレ、エプロン好き。」
そう言って、また後ろからエプロンを着けられる。
いつ、そんな趣味が出来たんだか・・・。
「ひゃあ!?」
エプロンの紐を結びながら、うなじを舐められた。
危ないからあっち行っててと言うと、頬を膨らませたがちゃんと言うことを聞いて、テーブルのとこに行く。
どうやらこの後彼は、仕事で家を空けるらしい。
そういえば、私は仕事どうしてるんだろう・・・。
気になって聞くと、私は仕事をしてなくて、ずっとここにいるらしい。
「オマエはどこにも行かせねぇから。オレのことを、ずっとここで待ってろ。」
カウンターキッチンの目の前でテーブルに頬杖を付きながら見つめて言われると、思わずドキッとしてしまう。
だって、こんなの・・・新婚さんみたい。
「顔、赤ぇ・・・今さら、そんな照れるか?」
フイっと目を反らして、出来た目玉焼きをお皿に移した。
それでもずっと視線を感じて、余計顔が熱くなってしまう。
「星那、キスしろ。」
「ふぇ?」
変な声出た・・・。
頬杖を付いたまま彼は、顎を上げて目を瞑る。
急になんなのよ・・・遠いし。
シンクに手を付き目一杯伸びれば、ギリギリ唇が触れる。
唇を離せば、笑う彼が目に入った。
やっと笑った・・・。