第7章 revenge4.5
万次郎が寝ぼけて私を抱き締めてくる。
これじゃあ服着れないよ・・・。
彼の力が抜けるまで待つことにした。
しばらく待ってるとだんだんと力が抜けてきて、腕がだらんとなったので、ゆっくりとソファーに横にならせる。
毛布を掛けて、散らばった服を持って、お風呂に向かった。
太腿に彼の熱が垂れているのに気付き、急いで浴室に入る。
身体を洗ってリビングに戻ると、ココさんがまだいた。
「万次郎寝てるので、話なら明日にしてもらってもいいですか?」
「いや、オマエに話があってきた。」
私に?なんだろう?
ココさんとはほとんど接点がない。
イヌピーくんのことだろうか・・・でも、今でもココさんが彼の隣にいるかわからない。
首を傾げてココさんを見つめると、真剣な目付きに変わる。
私、ココさんの目、苦手なんだよな・・・。
「イヌピーのことはどうした?あいつの気持ち聞いたんだろ?」
やっぱり・・・今でもちゃんとイヌピーくんのこと、大切に思ってるんだね。
「イヌピーくんと出会った時のことも思い出して、ちゃんと断りました。」
そう伝えると、ココさんの顔が少しだけ柔らかくなる。
安堵に胸を撫で下ろすと、ソファーの前で座ってる私の後ろで、寝ていた万次郎が身じろいだ。
ぎゅっと後ろから抱き締められる。
「今のどういう意味だよ。半間だけじゃなかったのか?」
「黙っててごめんね。でもイヌピーくんは私に何もしてないよ。」
顔だけを振り向かせると、チュッと触れるだけのキスをされる。
まだ寝てて大丈夫だよと言って、彼の頬に顔を擦り寄せた。
すると、万次郎はそのまま寝始めた。
さっきから私にくっついて寝るので、嬉しくて軽く笑った。
ココさんに落ちてしまった毛布を彼に掛けてもらい、また話し始める。
「マイキーのこと、止めんなよ。邪魔すんなら、オマエでも殺す。」
蛇のような目で睨まれて怯みそうになるが、彼がもし、大切な人を傷付けそうになったら、全力で止めなきゃいけない。
彼との約束だから。
「その約束は出来ません。万次郎が苦しむようなら、絶対に止めます。」
ココさんは途端に笑顔になり、オマエを殺したらオレが殺されると言って、帰っていった。
何が言いたかったの?
ココさんは昔からよくわからない。