第7章 revenge4.5
こんな高そうなお店に、なんの用だろう?
中に入りながら話しかけてくる。
「そういえばオマエさ、ゴム、どうした?」
首を傾げると髪と言われて思い出す・・・一昨日、取って忘れてた。
手首を見ると、付いたままだ。
ごめんと言って渡そうとすると、後で寄越してと言われたので、そのままにしとく。
定員さんがどんなものをお探しですか?と訊ねてきた。
てか、なんで中学生がこんなとこ、来てんの?
「あの、別の日また来るんで、今日はこいつのサイズ測ってください。」
え、なんで私?
本当にサイズだけ測って出て来てしまった。
しかも左手の薬指だったんだけど・・・。
バブの後ろに乗って彼にしがみつくけど、頭の中は?でいっぱいだ。
あんなとこで中学生が買えるはずないじゃん・・・サイズだけ測って雑貨屋さんとかで安いもの買うとか?
いやでも、別の日来るって定員さんに言ってた。
万次郎は私を送り届けて、そのまま帰ってしまった。
制服から部屋着に着替えて、服の下になったネックレスを出す。
指輪はこれがあるじゃん・・・完全にネックレスのチャーム用のサイズだけど、どっかの指に嵌ると思うんだけど・・・。
ふと、捲れた袖に目が行き、髪ゴムが目に入った。
あ、忘れた・・・ごめん、万次郎。
そういえば今日、数学の宿題出されたんだった。
机に行き、カバンから教科書やノート等を出して、向き合う。
垂れてきた前髪が邪魔になって、万次郎の髪ゴムを使った。
彼のように、ポンパドールにして結う。
もしかして万次郎って、おしゃれとかじゃなくて、ただ邪魔だから結ってんのかな。
宿題を終わらせるとお腹が空いてきたので、ご飯を作って食べた。
ご飯は、万次郎が作ってんのかな?それとも、お爺さん?
お爺さんだろうな、万次郎やらなそう・・・てか、作れるのかな。
なんか、万次郎のことばっかり考えちゃう・・・。
ご飯を食べ終わってソファーに座り、ボッーとテレビを眺めていると、母が帰ってきた。
いつも父よりも母の方が帰ってくるのが早い。
「先にご飯、食べちゃったよ。」
「そう?了解。」
少し話すと、母は父が帰ってくる時間に合わせて、ご飯を作る。