第7章 revenge4.5
あまり遅くならないように、早めに家に帰った。
万次郎に送ってもらう訳にもいかなかったから。
家の中に入ると、待っていてくれたのか、ご飯が用意されていて、両親もまだ食べていないようだった。
「お母さん、もうムリかもしれない・・・あいつはいなくなったけど・・・万次郎、死なないよね?・・・もうやだよ・・・見たくないよ・・・。」
どうすれば私は、彼を救える?
何もかも失って、どん底にいる彼を・・・。
もう彼が死ぬところを見たくない。
母はただ私の名前を呟き、心配そうに私を見てくる。
彼にかける言葉が見つからない・・・それは母も同じなんだろう。
無責任に大丈夫とも言えないし、頑張ってとも言えやしない。
何も言葉をかけない方が、正解なんだろうか。
私が今までしてきたことは、全部ムダだったんじゃないかと思えてくる。
私の頑張りは全部・・・無意味なものだったと、思い知らされたような・・・もう、何の為に頑張ってきたのか、わからなくなった。
彼の前だけでは強くいようと、そう思うけれど・・・エマちゃんを失い、万次郎が壊れていく・・・私は強くなんてなれない。
壊さないと誓ったのに・・・。
何も喉を通らなくて、申し訳ないと思いながら出されたものをほとんど残し、部屋に足を進める。
ベッドに沈み込んで、絶望の中に落ちていった。
タケミチくん・・・本当に過去に戻れるのかな・・・。
今よりももっと前に・・・場地さんと、エマちゃんを救う為に・・・。
涙はもう枯れて・・・ただ呆然と、空中を見つめる。
万次郎にエマちゃんの死を受け入れて欲しい。
じゃないと万次郎は、ずっとあのままだ・・・。
携帯を開き、彼にただおやすみとメールを送る。
私の光はもう・・・彼には、届かないのかな・・・。
もっと、眩しいくらいに輝けさせればいいのかな・・・。
どうすれば、私の光は・・・今の貴方に届く?