第7章 revenge4.5
ドラケンさんが帰り、万次郎は少し声を出して泣く。
万次郎に顔を上げてもらい少し離れて、頬に手を添えて、目を合わせる。
「な、んだよ・・・っ!?」
彼の唇に私のそれを押し付けた。
少し開いた唇に舌を滑り込ませて、少し舌を絡ませると、彼は私の後頭部と背中を掴んで後ろに倒れて、私の口の中に舌を入れてくる。
侵入してきた舌は、激しく絡んでぴちゃっと音をたてる。
しょっぱい・・・初めてキスした時と同じだ。
すぐに唇が離れると彼は、唇を噛んで眉頭に力を入れた。
「星那っ、オレ・・・こんなかっこ悪ぃし、弱ぇ奴だけど・・・それでも変わらずに、傍にいてくれっか・・・?」
「どんな万次郎でも、大好きだよ・・・だから離れたくないよ。」
後頭部と背中にある手に力を入れて、ぎゅうと私を抱き締める。
まるで、どこにも行かせないと言われてるみたい。
どのくらいか経つと彼は泣き止んで起き上がり、私の胸におでこを預けてきた。
エマは・・・と彼が知っているいろんなエマちゃんを話してくれる。
エマちゃんがここに来た時のこと。
マイキーと呼ぶようになった時のこと。
2人で真一郎さんの背中を追いかけ回していた時のこと。
エマちゃんがドラケンさんと会った時のこと。
いつも目玉焼きはひっくり返して潰せと言っているのに、やってくれないけど、いつもご飯が美味しかったこと。
朝はいつもタオルケットを捨てろと言われること。
万次郎とドラケンさんの髪を結ってくれたこと。
いつも万次郎を理解してくれたこと。
いつも笑って後ろをついてきたこと。
いつもドラケンさんの隣で可愛く笑っていたこと。
もっともっとたくさん、教えてくれた。
「そんなエマが、大好きだった。」
「私も、エマちゃんが大好き!」
顔をあげた彼と笑い合った。
エマちゃんは、私たちの心の中で、永遠に輝き続ける。
これからもずっと大好きだよ、エマちゃん・・・。