第6章 revenge4
対峙するとまた稀咲が逃げていく。
追いかけようとしたが、タケミチくんが転んでしまった。
「タケミチくん!?」
さっき撃たれた足だ!!
ドラケンさんがタケミチくんをおんぶして走り出す。
いや、待って・・・人一人抱えてるくせに、速すぎる。
2人が何か話してるが、何も聞こえない。
半間が私の横を通り過ぎていった。
いや、え・・・私、遅過ぎない?
確かに身体中痛いけど・・・そんな?
半間が鉄パイプで2人に襲いかかり、ドラケンさんがそれを受け止めて、タケミチくんは片足で着地した。
さすが・・・。
タケミチくんが1人で走っていく。
「ドラケンさん、ごめん!お願い!!」
ドラケンさんはおうと答えて、半間と対峙する。
足を負傷してるタケミチくんに追い付いて、肩を貸して走り続ける。
稀咲が角を曲がったので追いかけて曲がろうとしたら、タケミチくんがコンクリートブロックで殴られた。
「稀咲ィ!!」
タケミチくんが倒れずに、拳を構えた。
そして殴って殴られて・・・2人は何度も殴り合う。
一度2人の動きが止まって、タケミチくんが辺りを見回している間に殴られた。
どうしたの、タケミチくん?
タケミチくんも集中して殴り返す。
てめぇは弱ぇから、いつでも盾と剣になる奴を作ると、稀咲を何度も殴っていく。
「自分1人ではなんも出来ねぇ、小心者だ!!」
稀咲がタケミチくんの拳を受け止めて、両手を掴み合う。
「バカが!!人の上に立つのに、腕力はいらねぇんだよ!!!」
稀咲がタケミチくんに頭突きをした。
「何を達成するにも必要なのは、緻密に作り上げられた、完璧な計画だ!!」
タケミチくんが稀咲に覆い被さり、胸ぐらを掴む。
「オレごときに潰されて、何が完璧な計画だ!!?」
2人はゴロゴロと転がり、稀咲が上になる。
こんな男2人の戦い・・・手を出せない。
2人ともヒナを懸けて、殴り合ってる。
すごく泥臭くてかっこ悪いけど、すごく引き込まれる。
稀咲が何度もタケミチくんを殴る。
稀咲は今までの計画を全部言って、潰せるわけがねぇと声を荒らげる。
「ある可能性を除いて・・・。」
稀咲ももしかして、気付いてる?
私たちが自分と同じタイムリーパーだということに・・・。