第6章 revenge4
彼はイザナと稀咲の間を通り過ぎて、私たちに向かってくる。
「ありがとう、タケミっち。」
彼はそう言って、タケミチくんの後頭部に手を回し、抱き締める。
タケミチくんを離して、私の方に来る。
「ありがとう、星那。」
タケミチくんと同じように私を抱き締めて、キスをする。
「私、血ぃ出てる・・・。」
私とタケミチくんがどうして、来れる状態じゃなかったはずと呟いた。
バイクの排気音が聞こえる。
っ!?
どうして、ドラケンさんまで・・・なんで来れたの・・・?
ドラケンさんの後ろに、ヒナが乗ってる。
どうやらヒナが、タイムリープのことを2人に話しちゃったらしい。
あぁ、どうしよ・・・万次郎に嫌われるかな・・・ババアって・・・。
万次郎とドラケンさんは残った天竺の連中を見て、ハンデいる?と聞く。
200人は、残ってるんですが・・・。
ヤジを飛ばす天竺に、オレを誰だと思ってんの?と聞いた。
「2万人連れてこい!!」
いつもの彼が、ここにいる・・・それがどうしようもなく嬉しくて、涙が溢れてくる。
どうした?オマエらと私たちを振り返って聞いてくる。
「楽しめよ!!喧嘩だぜ!?」
みんなの闘志が沸き立つ。
彼に呼ばれて近くに行くと、優しく腰を抱かれた。
イザナが真っ直ぐこちらに向かって来て、彼は私の背中を押して離れさせ、顔の前で腕をクロスさせてガードした。
彼は結構な距離を飛ばされた。
「真一郎を亡くし、エマを亡くし・・・どうだ?カラになった気分は?」
「カタつけよぜ、イザナ。」
今、本当の最後の戦いが幕を開ける。