第6章 revenge4
近付くアングリーさんに弟がタックルをしたが、ビクともしない。
そしてそのまま弟の顔面を左手で殴り飛ばし、一発でノシた。
何、あの強さ・・・さっきとは比べ物にならない。
アングリーさんは一瞬で兄の横に行き、また一発でノシた。
それを見て、千冬と戦っていたモッチーがアングリーさんに近付き肩を組むと、頬を殴り付け地面に押し付ける。
そしてムーチョが袖を掴んで背負い投げようとすると、小柄な身体をクルンと回して、ムーチョの首を折れたはずの左脚で地面に押し付けた。
それを見ていたタケミチくんたちが、アングリーさんの周りに集まっていく。
これなら・・・そう思ったのに、ムーチョが短刀を取り出した。
アングリーさんに切りかかる。
避けたアングリーさんにもう一度切りかかろうとした時、タケミチくんが前に出て庇う。
やばい・・・どうする?
その時、鶴蝶が刃を持って止め、ムーチョの腹を思いっ切り殴って倒した。
どうして、味方の鶴蝶が・・・?
鶴蝶がタケミチくんと何か話すと、アングリーさんに向かって走り出した。
「アングリーさん!!」
一瞬だった・・・鶴蝶が天竺を半壊まで追い込んだアングリーさんとイヌピーくん、千冬を倒して、タケミチくんの前まで行くのは・・・。
そしてタケミチくんは鶴蝶に何度も何度も殴られても、立ち上がった。
傷だらけで・・・いろんなところから血を流して・・・。
そんなタケミチくんを鶴蝶はまた殴る。
止めなきゃ・・・!!
1歩踏み出した時だった、千冬が涙を流して、2人を止めた。
東卍の負けだと・・・。
「東卍は負けねぇ!!!」
タケミチくんは叫んだ、オレがいる限り東卍は負けねぇんだよと・・・。
「まだ負けてない!!タケミチくんは倒れてない!!私だってまだ戦える、死ぬまで私は諦めない!!!」
いつの間にか稀咲が下に下りていて、タケミチくんに銃口を向けていた。
「稀咲っ・・・!」
急いでコンテナを駆け下りる。
私が着く前に銃声が鳴り響いた。
タケミチくんの足を撃ったんだ。
急いで駆け寄り、タケミチくんの前に出る。
稀咲が私に銃口を向ける。
「ほら、撃ちなよ?頭、撃ち抜いてみろよ!?」
私は死ぬ気でここに来たんだ、何にも怖くない。