第1章 revenge1
まだドキドキが治まらない・・・。
シャワーを浴びながら、速くなった鼓動を落ち着かせる。
あまり長湯はしてはいけないと思い、浴室から出た。
タオルで身体を拭いていく。
突然、脱衣所の扉が開いた。
「え・・・やっ!!」
マイキーさんが入ってきた。
咄嗟に屈んで、身体を隠した。
戻ると思ってたら、こちらに近付いてくる気配がする。
「もうあがっちゃったんだ、残念。」
「何言って・・・。」
「一緒に入ろうと思って来たのに。」
頭を掴まれ、匂いを嗅まれた。
「オレの使ったんだ。」
「へ?」
「シャンプー。」
シャンプーが2種類あって、適当に選んで使ったんだけど・・・マイキーさんのだったんだ。
「ごめん、勝手に使って・・・。」
「んーん、同じ匂いで嬉しい。」
なにそれっ!
そんなこと言われたら、ドキドキが止まらないよ。
私から離れたのでもう出ていくと思ったのに、ずっとそこにいる。
「あの、マイキーさん・・・?」
「ん?」
「私・・・服、着たい・・・。」
彼がずっとそこにいるせいで、動けない。
「着れば?」
何を言ってるんだ、この人は。
「だって、マイキーさんがそこにいるから、動けない・・・。」
もう、恥ずかしいよ・・・。
早くいなくなってよ・・・。
「星那、あんまり可愛い反応してると、襲っちゃうよ?」
「何言ってるの・・・ひゃっ!!だ、だめ・・・っ!」
ぎゅっと握っていたタオルを奪われた。
「ちゃんと拭かないと。」
そう言って、髪を優しく拭いてくれる。
髪を拭き終わると背中にタオルを掛けて、顔を上げられた。
「オレに見られるの、嫌?」
少し上目遣いで私を見てくる。
ダメだ、そんな目で見ないで・・・。
堪らなく愛しくなって、ぎゅっと抱きついた。
勢いが余って、彼は後ろに倒れた。
「うおっ!?」
マイキーさんのことを私が押し倒したようになってしまった。
いや、完全に押し倒した。
「星那ってば、えっちー!」
からかう声色で楽しそうにする彼は、私の背中に手を回し、ぎゅっと抱き締め返してくる。