第6章 revenge4
ありがとう、私行かなきゃと言ってヒナから離れて、病院の入り口に向かう。
その時、タケミチくんとすれ違った。
万次郎を守らなきゃ・・・イザナを、稀咲をどうにかしなきゃ・・・。
外に出ると、千冬とイヌピーくんがいた。
涙で濡れた目で彼らを見る。
2人が心配そうに私を見てくるので、無理矢理笑って見せた。
タケミチくんが来て、千冬の後ろにタケミチくんが乗り、イヌピーくんの後ろに私が乗ると、走り出す。
「イヌピーくん・・・ごめんね、出会った時のこと、忘れてて・・・。」
「星那・・・オレはあの時から、オマエが好きだ。」
「ごめんね、私には万次郎だけなんだ。でも、好きになってくれて、ありがとう。」
同じ人に、2度目のごめんねを言う。
神社に着き、下に集まったみんなに千冬が、エマちゃんが亡くなったことを伝える。
階段の中腹に3人で立ち、みんなを見据える。
総長も副総長も、今日の天竺戦には参加出来ない。
そんな抗争にみんなが来るはずない。
イヌピーくんも、今日戦うべきじゃないと言う。
確かに今日引いて、準備した方がいい・・・でもっ。
「東卍は今日、天竺に乗り込みます。」
タケミチくんがはっきり言った。
その言葉にみんなが口々文句を言って、背中を向けて歩き出す。
「今日やらなきゃ、意味ないんだよ・・・。」
みんなが私に文句を言う・・・女がでしゃばんじゃねぇ、総長の女だからって調子乗ってんじゃねぇぞと・・・だけど、そんなことわかってんだよ!
いいんだ・・・始めるからみんなが来るとは思ってない。
でも今日、やんなきゃいけない・・・やらなければ、稀咲の思う壷だ。
「オレは1人でも・・・引く訳にはいかねぇ・・・!」
「私も・・・ここまでやったんだ、投げ出せないよ!」
千冬はそんな私たちにだよなと言った。
「じゃあ、3人で心中だな。」
と笑った。
ありがとう、千冬・・・私たちはいつも、中学生の貴方に助けられてばかりだね。
3人だけじゃねぇぞと声をあげてくれた人がいた。
顔をあげて、そちらを向く。
っ!?
アッくん・・・!!