第6章 revenge4
私も未来で彼を失った、だから・・・ドラケンさんの気持ちは痛い程わかる・・・だけど、ドラケンさんの方がもっと辛い・・・私はこうやって過去に戻って、彼が死ぬ未来を変えられる。
だから万次郎・・・貴方は堕ちていったんだね・・・何もかも失って、受け入れられなくなって・・・私は貴方に何もしてあげなかった・・・。
もう・・・あの未来は変えられない。
違う・・・まだだ、まだ諦めちゃいけない・・・救うと決めたんだ。
私が彼の光にならなきゃ・・・彼の道を照らさなきゃ・・・。
「万次郎・・・私がいる・・・私じゃ、真一郎さんや場地さん、エマちゃんの代わりにはならない、そんなことはわかってる。それでも私は貴方に愛されてる!・・・私が貴方を何処にも行かせない、私が照らした道だけを進んでっ!!」
何も反応しない彼に口付ける。
病院の中に入って、タケミチくんが彼に話しかける。
今日は天竺との決戦、みんなマイキーくんの号令がないと動けない・・・エマちゃんを殺したのは、稀咲だ、あいつは悪知恵を働かして、絶対捕まらない。
そうだよ、万次郎がいないとみんなは、立ち向かっていけないんだよ・・・みんなの後ろには、万次郎がいるんでしょ・・・。
「マイキーくん・・・オレは1人でも天竺とやります。」
「万次郎・・・私もやるよ、タケミチくんと2人で、天竺をぶっ潰してくる。」
涙を流しながら、頭に天竺を思い浮かべて、目の前の壁を睨む。
タケミチくんよりも先に歩き出して、エマちゃんのところに向かう。
ヒナ・・・霊安室の前で泣くヒナに声をかけて、ぎゅっと抱きしめる。
「ごめん・・・全部私が悪いんだ。こうなることを知ってたのに、守れなかった。」
ヒナが震えた声で星那も未来から来てるの?と聞いてきた。
え・・・どうして、それを?
「タケミチくんがね、私を直人だと思って話してたの・・・私を守る為に、過去に来てるって。」
ヒナは知ってたんだ・・・。
「ヒナっ・・・私ね・・・ヒナと万次郎を救う為に、何度も何度も過去に戻って、頑張ってもダメでっ、目の前で万次郎が死んじゃってっ・・・そして、こんなことになっちゃったぁ・・・。」
よく頑張ったねと、慰めてくれた。