第6章 revenge4
私も彼に目を向ける。
少し怒りを含んだ目で八戒くんを見ている。
彼は八戒くんに、三ツ谷さんたちが目を覚ました時、抗争に参戦しないように、傍について止めろと言った。
あいつらが心配でオレが動きづらくなると続け、タケミチくんたちに自分たちの任務を真っ当しろと言う。
え、待って・・・三ツ谷さんたちが襲われたってことは、エマちゃんが危ないんじゃ・・・。
でも彼が爺ちゃんがいると言った。
彼のお爺さんは、空手の師範代だ、信じるしかない。
「いいかオマエら、この戦い、後ろに隊長は1人もいねぇ、オレだけでいい!」
彼はとても頼もしく微笑んだ。
そうだ、東卍にはいつだって彼がいる、彼が後ろにいるだけで、みんなは全力で向かっていけるんだ。
みんなの顔から、力が抜けた。
「それに、最強の姫も取り戻した。こいつがいるだけで華があって、やる気も出るだろ?」
階段の手摺りの近くにいる私に、顔だけを振り向かせて笑う。
やだ、恥ずかしいんだけど・・・。
「天竺潰すぞ!!」
彼の言葉にみんなは歓声をあげ、私は微笑んだ。
集会が終わり、彼の家のリビングで過ごす。
彼の部屋よりリビングの方が、エマちゃんの部屋に近いから。
さっき彼女の部屋に様子を見に行った時、ちゃんとベッドの上で可愛い顔でぐっすり眠ってた。
ソファーに座り、彼の手を握って寄り添う。
「本当は行かせたくねぇんだけどな。」
なんのことだろうと思い、彼の顔を見る。
「天竺は犯罪行為までする、オマエをそんな危ねぇ奴らに近付けたくねぇよ。」
「私は行くよ・・・万次郎の隣で戦うと決めたから・・・絶対勝とうね、私のヒーロー!」
ヒーローってなんだよって笑う彼に、キスをする。
あの時私を助けてくれた貴方は、私にとって最強のヒーローなんだよ。
彼は私を横にならせて、自分の太腿の上に頭を乗せ、少し寝ろと髪を撫でる。
私は安心して、目を瞑った。