第6章 revenge4
今日は2月21日。
万次郎たちがいないうちに母に連絡して理由を全部話して、エマちゃんの近くにいることを許してくれた。
そして日付けが変わってから集会をすると、さっき万次郎から連絡があった。
天竺との抗争が近付いている。
今はエマちゃんの部屋にいて、タケミチくんたちに呼び出された彼がそろそろ戻ってくるだろう。
「星那はなんで、ウチとずっといるの?」
「怖いから・・・エマちゃんがいなくなっちゃうんじゃないか・・・って。」
エマちゃんは?を浮かべて、首を傾げる。
万次郎が戻って来て、私に今日の集会に来いと言われて、返事をせずに下を向く。
「ここには爺ちゃんがいる、エマは1人じゃねぇよ。」
渋々、頭を縦に振った。
彼は私の前に座って、優しく頬に触れる。
「明日、2月22日は・・・11年前、兄貴が黒龍を結成した日だ。天竺が攻めてくるかもしんねぇ。」
私の目を真っ直ぐ見てきて言った。
伍番隊のムーチョさんが裏切って、ココさんを引き連れて天竺に行った。
ココさんが天竺に行ったのは、タケミチくんやイヌピーくんを守る為だったと・・・。
エマちゃんを守らなければ・・・。
2人に断りを入れて部屋を出て、母に電話をする。
「明日で全部終わる。もしかしたら私、明日は生きて帰れないかもしれない・・・人を殺してるかもしれない・・・それでも応援してくれる?愛してくれる?」
「あたりまえじゃない。貴方はいつまで経っても私の娘よ・・・どんな結果になっても、貴方が愛する人の為にそこまでするんだもの・・・お母さんはずっと貴方の1番の味方だから・・・愛してるわ。」
ありがとうお母さん・・・刑事なのに、そこまで言ってくれる母に、もう言えないかもしれない・・・さよならと愛してるを言う。
絶対に失敗は許されない。
人生を懸けたリベンジだ。
私の腐った人生を、ここで終わらせる。
あの日、彼と一緒に私を救ってくれたあの人と、命を張ってまで彼を守ってくれたあの人の為に、私は・・・私の全てを懸けて、彼を・・・みんなを救ってみせる。
エマちゃんの部屋に戻り2人の手を握って、決意する。
「絶対、守ってみせる・・・私のヒーロー。」