第6章 revenge4
へ?・・・半間?
もしかして、過去に・・・?
また急に・・・。
でもこんなにすぐに過去に来たってことは、2人に何かあったんだ。
「ねぇ半間・・・あんた本当に、万次郎に殺されるよ。」
「オヒメサマが庇ってくれるだろぉ?」
はぁ・・・まぁ確かに万次郎に人殺しになって欲しくないからね。
出されていた胸はキレイに服が戻されてて、隠れていた。
こいつ、本当に最後までしないつもりなんだ。
なんで?
何故か頭を撫でるこいつの手が気持ちよくて眠くなってしまう。
どうして・・・そんな大切そうに私を扱うの?
優しく撫でる半間の手によって、私は微睡みに落ちていった。
半間に声をかけられ起こされると、バブーという排気音が聞こえた。
その音に誘われるように起き上がると、半間に抱き締められた。
優しく・・・でもすごくキツく・・・。
「もう夢の時間は終わりか・・・ひでぇことして悪かった。・・・でも、オマエを好きな気持ちは本物だ。」
半間の身体が震え出す。
一体、私のどこをそんなに・・・。
「ごめんね・・・。」
抱き締め返すことは出来ないけど、ありがとうと伝える。
イヌピーくんも半間も・・・どうしてそこまで私を想ってくれるの?・・・私は万次郎しか見てないのに・・・。
半間の肩越しに万次郎を視界に捕らえる。
そして半間がボソッと呟いた。
「オマエの傍にいたい・・・けど、稀咲が見せる、飽きない世界を見ていてぇ・・・。」
半間は私から離れて振り向き、万次郎を見据える。
万次郎は無表情に半間を見ていた。
ダメだ、今ヤり合わせたら、彼が半間を殺してしまう。
立ち上がって万次郎に駆け寄り、肩に顔を埋める。
「帰ろう、万次郎。」
たぶん半間は何もしてこない、ならこのまま帰ってしまおう。
彼は私の背中に手を回し、縛られた腕を解放する。
簡単に解かれたそれは、半間の優しさだと感じた。
どうやら彼は落ち着いてくれたようで、2人でバブに乗って、目的もなくただ走り続けた。