第1章 revenge1
彼が泣いている、私の胸で。
「私がいるっ、エマちゃんもドラケンさんも、東卍の皆がいるっ!全部1人で背負い込もうとしないで・・・っ!」
貴方は、1人じゃない。
「星那。」
彼が動こうとしてるので、抱き締めた腕の力を少し緩めた。
えっ?
彼の顔がすぐ目の前にある。
唇が少し濡れて温かい。
キス、してるんだ、マイキーさんと・・・。
ゆっくりと唇が離れて、おでこがくっついた。
「星那、絶対に壊れない、傷付かない、怖くないって、誓える?」
「え?」
誓ってよ、今日聞いたあの言葉が、頭の中で再生された。
「私はもう、大切な人を失いたくない。マイキーさんが壊れそうになったら私は、貴方を叱ってでも本当の貴方を取り戻す。マイキーさんが傷付いたら、その傷を治してあげる。マイキーさんが怖いって震えてたら、大丈夫だよって慰めてあげる。」
あの日誓ったんだ。
ヒナもマイキーさんも救ってみせるって。
「それは自分が壊れて、傷付いて、怖がってたら出来ないことだよ。私はもう失敗したくないの。・・・誓うよ。」
それを聞いた彼は優しく笑って、キスをした。
「星那、愛してる。」
「私も、愛してる。」
涙が止めどなく溢れて、彼の涙と混ざった。
マイキーさんとの初めてのキスは、涙の味がした。
「いっ!?」
突然、首筋を噛まれて、小さく悲鳴をあげた。
「んっ・・・やめっ、んぁ・・・。」
歯が離れたと思ったら、チクっとして、その部分を舐め上げられる。
「星那の声、エロい。」
妖艶に笑った。
「オレの女って印、つけといたから。」
印って・・・キスマーク!?
「オレにもつけて?」
首を傾げて、首筋を主張する。
そのまま言葉に誘われるように、彼の首筋に唇をつけて強く吸った。
唇を離すと、ぎゅっと抱き締められる。
「もうどこにも行かせてやんない。」
彼の嬉しそうな声が、私の心を踊らせた。
もう何もいらないくらい、幸せだ。
星那はオレのもんだよ、その言葉が私の心に優しくストンと落ちた。