第5章 revenge3.5
タケミチくんが折角引っ込めた涙をまた溜める。
彼も最高の奴らだよなと言って、顔に影を落として俯く。
「そんな奴らを、オレは殺した。」
私は・・・私は結局・・・彼を・・・ダメだ、このままじゃ・・・ここで死んじゃいけない、彼を救わなきゃ・・・。
「あの頃の東卍はもういない。あいつらはみんな・・・・・・みんな、オレが殺した。だから頼む・・・オマエが終わらせてくれ。」
万次郎はそう言って、銃をタケミチくんの前に投げ捨てた。
「オレらを殺せ。」
ゆっくりとスクラップの山を下りて行き、タケミチくんの前に2人で立つ。
「ここで全て終わらせたいんだ、オレの夢を。」
それから少し話して、彼の真っ黒な目は、また下を向く。
初めて人を殺した時、何にも感じなかったと話す彼の手を握った。
彼が握り返すことはない、何も気にせず、ただ手を下に下げたまま。
世の中の難しいことは大抵、人を殺せば簡単に解決すると無表情で言う彼を見るのが、ただただ、辛い・・・。
「邪魔なもんは消しちまえばいいんだって。」
そう笑顔で言った彼を、何も言わず悲しげに見つめた。
彼は、マイキーくんは何も変わってないと、彼の肩を掴んで詰め寄るタケミチくんの胸ぐらを掴んで、押し倒し、馬乗りになる。
オマエはなんなんだと彼は怒り、タケミチくんの頬に銃口を押し付けた。
ダメだ・・・止めなきゃ・・・!!
彼の腰にしがみつき、タケミチくんから引き離そうとするが、私の力じゃビクともしない。
「そんな目でオレを見るな。」
彼の目に涙が溜まる。
「銃を拾え、タケミっち。オレを殺すか、オマエが死ぬか、だ。」
あの頃は取り戻せないと言って彼が、身体を起こした時だった。
ドンという音が響き、彼が倒れて、私はその体重に逆らえず、一緒に倒れてタケミチくんの上に乗っかる。
何が、起きて・・・。
ゆっくりと顔をあげると、頭から血を流した彼が目を瞑って倒れている。
なんで・・・?
「大丈夫ですか!!?タケミチくん!!」
直人くんが銃を構えている。
まさか・・・そんな・・・。
「万次郎っ!!!」
一緒に死のうと約束した、だけど・・・貴方を失いたくない、一緒に生きていたい。
タケミチくんが抱え上げた彼の胸に縋る。