第5章 revenge3.5
なに?と言って、半間に振り返る。
「ここに来たってことは、オレらと一緒に行くんだろぉ?」
万次郎がいるのわかってるくせに、なに言ってんの。
肩を抱かれ、無理矢理連れて行かれそうになる。
万次郎が来る気配がするので、彼を止めて半間を引き離す。
「私はずっと万次郎だけを想ってきた。今更、他の人のとこなんか行けるはずない。私はこれから先ずっと、永遠に万次郎の隣にいる。」
ダリィと言って顎を持たれた瞬間、キスをされた。
反射的に半間を押し返して、頬を殴る。
すぐに万次郎が私の前に来てくれて、半間を蹴り飛ばした。
「てめぇ、殺すぞ。」
私に向けられた訳じゃない殺気に、身体が震えた。
止めなきゃ・・・じゃないと、本当に半間を殺しちゃう。
震えを無理矢理抑えて、彼の腕にしがみつく。
「やめてっ!!もういいからっ、そんな奴に構わないで!」
彼はそのまま振り向き、私の頬に手を添えて、キスをする。
まるで塗り替えるように・・・。
何度も角度を変えながら、啄むようにチュッチュッと音をたてて、最後に唇を全部舐めて離した。
「次、こいつになんかしてみろ。そん時は、マジで殺すかんな。」
半間はまたダリィと言って、口の端から出た血を拭って、稀咲と一緒にいなくなった。
それを見届けると彼はまたキスをする。
ガツガツと私の唇を奪う。
食べられてしまう・・・。
腰に手を回して私を支えると、グッと近付けて、腰を密着させる。
苦しい・・・荒く激しく舌を絡ませられて、グチャグチャにされそう。
彼の心が荒んでる。
このままだと2人とも怪我をしそうだから、彼の胸を押して無理矢理離れさせた。
「大丈夫だよ・・・どこにも行かない。キスされたのは、すっごく嫌だけど、これで万次郎の隣にいれるなら、もうどうだっていい。」
ぎゅっとキツく抱き締められる。
「オマエはオレのもんだ・・・。」
彼の背中に手を回して、ぎゅっとしがみつく。
「うん、私は万次郎のものだよ。」
大好きと言って、顔を彼の肩に埋めて、擦り付けた。
キスをされただけで、こんな風になってしまう彼が愛しくて・・・もう現代に戻りたくないと、心の片隅で思う。
でも戻らないと、現代の彼が心配だ。