第5章 revenge3.5
そんなこと、出来ると思ってんの?
「マイキーくん、半間は星那を気に入ってます。すげぇちょっかい出してました。」
千冬が彼に言うと、彼は無表情で、聞こえているのかわからない。
私は、4人の間を縫って進み、フラフラと半間のところまで歩き、向かい合う。
「私を連れて行きたいなら、あんたが彼より強いと証明しろ。万次郎より愛せると、思わせてみろ。」
その時稀咲が、違うと叫び、万次郎の為に動いたんだと、駆け寄ろうとする。
咄嗟に身体が動き、ドラケンさんと一緒に稀咲の前に出る。
だが、半間がドラケンさんに殴りかかり、彼は腕で止めたが、その隙に稀咲が進もうとした為、私は稀咲の腰にしがみつき止めた。
でも、下半身に力が入らなくて、稀咲が私を引き摺るように階段を上がっていく。
そして稀咲は万次郎と対峙した。
「星那、もういい、離せ。」
彼にそう言われ離すと、下半身に完全に力が入らなくて、その場に座り込んでしまった。
千冬が私を、稀咲から離してくれた。
稀咲がこんなカス共に耳を傾けるなと、彼に言う。
「不良の時代を創るんだろ!?これから東卍はでかくなる、誰もがひれ伏す組織になるんだ。でかくなれば、必ず闇は生まれる。オレは、その闇を全て引き受けてやる、アンタを輝かせる為に!!アンタにはオレが必要なんだよ、マイキー。」
そう言って、手を差し出した。
「オレはアンタの落とした影だ、お互いが必要なんだ。」
だから考え直せ、綺麗事だけじゃ夢は叶わねぇんだよと焦っている。
あいつ、何も考えてない・・・ただ頭にあるのは、万次郎を説得することだけ、計算もなしに、想いをぶつけている。
そんな稀咲を無表情に見つめて、目を反らし私を見ると、こちらに近付いて来て、千冬から私を受け取り抱えた。
林の中に歩いていく。
「お別れだ、稀咲。その決めつけが夢を狂わせる・・・・・・半間、こいつはオマエのとこには、行かねぇよ。」
稀咲がマイキーと叫んだ。
ドラケンさんの集会は終わりだと言う声が聞こえた。
これで稀咲は東卍からいなくなった。
でも私は、稀咲に確かめたいことがある・・・が、この状態じゃムリだ。