第4章 revenge3
「ひでぇな・・・。」
私の背中にそっと手を触れて、彼は呟いた。
少しの痛みに耐える。
母が私の背中を見て、湿布を持って来てくれた。
万次郎が下着のホックを外し、そっと貼ってくれる。
「んっ・・・。」
冷たさと痛みに声が漏れた。
彼がホックを付けてくれたので、起き上がって服を着る。
すると彼がせっかく着た服を捲った。
どうしたのかと思って顔を見る。
「腹もじゃん。」
横んなれと言われ、今度は仰向けで横になった。
薬を塗ってくれた。
その手が擽ったくて身を捩ると、感じてんの?って意地悪くからかってくる。
少し睨んで起き上がり、両親を呼んだ。
万次郎を隣に座らせて、両親を向かいのソファーに座らせる。
昨日ことを話そうとしたら、お腹がなった。
「ご飯出来てるから、食べながら話そうか。」
母がニコッと笑ってご飯を盛り付けて、こちらに持ってきてくれた。
テーブル低くて食べにくいけど・・・。
ご飯を食べながら、少しずつ話した。
「万次郎が来てくれなきゃ、死んでたかも・・・。」
「もっと早く行けばよかった。オマエの怪我見た時、大寿、殺そうと思った・・・。」
抑えてくれたんだね。
ご飯を食べ終わり、彼の肩に頭を預ける。
「八戒くんと柚葉さん、解放されてよかった・・・。」
彼の腰に腕を回し、ぎゅっと抱き締める。
怖かった・・・もし失敗して、みんなが死んじゃったら、どうしようって・・・。
「みんなっ、生きてたっ・・・。」
「うん、オマエのおかげ・・・みんなを守ってくれて、ありがとう。」
彼が抱き締め返してくれたので、胸に顔を押し付けた。
母にここでやめてと言われたので、抱えてもらって部屋に向かった。
ベッドに下ろされると、軽いキスをされる。
唇が離れると、温かい彼が私を包み込んでくれる。
彼が私の怪我が治るまで、少しも離れないと言って聞かないので、仕方なく了承した。
初詣も一緒に行くぞ、だから早く治せと言われる。
うんと言って笑うと、彼も嬉しそうに笑う。
彼のこの笑顔が守れて、本当によかった。
それから私たちは、愛してると何度も囁き合いながら笑って、幸せということを、確認し合った。