第4章 revenge3
彼が胸元から取り出したのは、首に下げた、あのお守りだった。
「兄貴の形見に乗って、場地の形見持ってさ、雪の中走ってたら、一緒にいる気がして。」
なんだ、そういうことだったのか。
あんなこと言ってたから、まだ立ち直れてなくて、幻覚でも見てるのかと思った。
彼はお守りを戻し、胸に手を当てた。
「兄貴も場地もオマエらも、みんなオレのここにいる。だからオレは強くいれる。」
そう言って優しく微笑む彼が愛しくて、駆け寄って胸に蹲る。
そして胸がぎゅっと苦しくなって、息がちゃんと出来ない。
「まんじろっ・・・ごめんっ、私、頑張ったけど・・・みんなをちゃんと守れなかったっ・・・何も出来なかったっ・・・!!」
「星那はちゃんと守ったよ、こんなボロボロになって・・・ありがと。」
嗚咽でちゃんと言葉も発せず、震える私の身体をぎゅっと包み込んでくれた。
顔をあげて、彼の口の端から零れた血を拭うと、優しく笑ってくれる。
そしてみんなの方に顔を向けると、みんなで走るぞと笑う。
「待てやコラぁあ!!」
イヌピーに支えられて立ち上がった大寿が、叫んだ。
黒龍精鋭100人が相手だと、オレは誰にも負けねぇと。
そんなあいつに、彼は私を抱き締めたまま言う。
「・・・大寿、黒龍は強いよ、でも時代は創れねぇ。オマエは喧嘩が強ぇだけ、心がねぇ。オレらは時代を創る、黙って見とけ。」
彼は大寿を見下した。
大寿は兵隊はまだかと、呼びに行ったココに叫ぶ。
するとココは答えた。
「オレらの負けだ。」
大寿はイヌピーから離れ、外に走っていき、膝を付いた。
タケミチくんたち4人は100人をやると、構えている。
その時、入り口にドラケンさんが来た。
どうして、ドラケンさんが・・・?
ドラケンさんが外の奴は全員ノシた、オマエに負けて兵隊を失った柴大寿は戦意喪失、そう彼に伝えた。
彼はうんと答えて、私の手を取り、外に出る。
タケミチくんたちも外に駆けて来る。
「黒龍はもう死んだ!オレらの勝ちだ!」
外に広がっていたのは、黒龍の精鋭100人の伸びた姿だった。
ドラケンさんが・・・?
結局、1番のバケモノはウチのトップ2人だった。