第4章 revenge3
「メリークリスマス。」
そう言って彼は、微笑んでいた。
だが、黒龍のメンバーを視界に入れると、スっと真顔になる。
三ツ谷さんが頭を下げた。
自分のせいでこうなったと・・・。
三ツ谷さんだけのせいじゃない、私たちみんなだ。
「兄貴が気付いたんだ、オマエのインパルスの音に・・・そしたら場地がね、こんなにコールがうめぇのは、絶っ対ぇ三ツ谷だ!って。」
ニコッと笑う彼が、わからない。
「2人がここに導いてくれた。」
そして無表情になり、真っ黒な目をした。
どういうこと・・・なにを言ってるの?
だって、真一郎さんや場地さんは・・・。
彼は大寿に向き直り、なんで邪魔するんだ、またみんなと走りてぇだけなのにと、ボッーと大寿を見る。
「三ツ谷がいなくなっちまったら、兄貴も場地も悲しむだろ!?」
やばい、ダメだよ・・・万次郎、そんな遠くに行かないで・・・1人で沈んで行かないで・・・。
「やめてっ、まんじろっ・・・っ!?」
大寿が彼の顔面を殴り、床に叩き付けた。
万次郎が動かない・・・。
その時、時計の鐘が鳴った・・・クリスマスが終わる。
千冬の腕をゆっくりと離して、大寿を見据える・・・そして駆けた。
「大寿、てめぇえぇ、殺す!!!」
「もう絶対、許さないっ!!!」
三ツ谷さんも駆け出していた。
私たちが大寿に辿り着く前に、大寿の後ろで彼が立ち上がった為、足を止める。
「聖夜(いのり)は終わった。」
イヌピーが彼を止める、大寿とじゃレベルが違うと。
私は彼の力を信じてる。
彼が一瞬、フラついた。
でもあんなフラフラじゃ・・・。
本当に貴方は立ち直ってないの?
あんな風に私を愛してくれたくせに・・・?
立ち直ってないなら、貴方は負ける。
彼が、1発もらったのは、自分への戒めだと言った後、大寿が視界から消えた。
気付いたら、床に倒れてた。
彼のあの蹴りだ・・・あの、核弾頭のような・・・。
とりあえず、そう理解しといた。
「クリスマスはね、兄貴や場地と走るって、決めてたんだ。」
そして彼は胸元をゴソゴソ漁る。
決めてた?・・・どういうこと?